魔魅[語句情報] »
魔魅
「魔魅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魔魅の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
彼自分の怖ろしき顔を見て死すとあるは、件《くだん》の説の焼き直しだろ。わが邦にも
魔魅《まみ》、蝮蛇《まむし》等と眼を見合せばたちまち気を奪われて死すといい(『塵....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
よそ山中広野を過ぐるに、昼夜を分たず心得あるべし、人気|罕《まれ》なる所で、天狗
魔魅の類、あるいは蝮蛇を見付けたらば、逃げ隠るる時、必ず目を見合すべからず。怖ろ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
浮きたる事にも、飛んだる事にも、馬を鹿に、というさえあるに、猫にしようとした……
魔魅の振舞も沙汰過ぎる。聞くからに荒唐無稽である。第一、浅学|寡聞の筆者が、講談....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
しているけれど、内心は臆病なんだなあ」 武蔵は、沈黙した。 少年の姿を借りた
魔魅と、問答でもしているような気持に打たれたからである。 ごし、ごし、ごしっ…....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」 中の声と一緒に戸が開いて、さッと明りが流れて来た。途端に、のしお頭巾の女の
魔魅、すばやく姿を消している。 「あ、お待ちなさい――」会所守の久六は何思ったか....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ッ、パッ……と大きな明滅の息をついて、そこへヌッと反身に立っているお十夜の影を、
魔魅のようにゆらゆらさせた。 「おお、てめえはッ」 見るがいなや、万吉は床を鳴....
「三国志」より 著者:吉川英治
しは長いこと待っていたよ。まさしく、わしの待っていたのはあなただ。――あなたこそ
魔魅跳梁を退けて、暗黒の国に楽土を創て、乱麻の世に道を示し、塗炭の底から大民を救....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と現に返った眼でもある。 その眼もとには、人をひき込まずにいない何かがあった。
魔魅の眸にもみえるし、慈悲心の深い人ならではの物にもみえる。どっちとも、ふと判別....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
という願いである。 「――お地蔵さまという御仏は、五濁悪世といわれる餓鬼、畜生、
魔魅の巷には好んでお降りある普化菩薩だということです。いまの世は、その地蔵菩薩で....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ふつうの戦場常識ではありえないことが随所に起っていたのである。それが足利勢をして
魔魅か鬼神のような恐れを覚えさせ、逃げ足立てたことだった。かつまた、大部隊の弱点....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しでも不当な下風におかれるのは、ゆるせない心理になる。 人間の心にひそむ権力の
魔魅のあやしい作用が、こんなところにも複雑な仮面のもとにうごくのだった。 かつ....