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魘
「魘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ら》すと、納戸で、
(うむ、)といって長く呼吸《いき》を引いて一声《ひとこえ》、
魘《うなさ》れたのは婦人《おんな》じゃ。
(今夜はお客様があるよ。)と叫んだ。
....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
らない。私は何だかもうお妙さんが、ぺろぺろと嘗められる夢を見て、今夜にも寝ていて
魘されそうで、お可哀相でなりません。貴郎油断をしちゃ厭ですよ、と云った――お蔦の....
「海異記」より 著者:泉鏡花
縁側から納戸の母衣蚊帳を差覗く。 「嬰児が、何を知ってさ。」 「それでも夢に見て
魘されら。」 「ちょいと、そんなに恐怖い事なのかい。」と女房は縁の柱につかまった....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
と引裂く、売女。(足を挙げて、枯草を踏蹂る。) 画工 ううむ、(二声ばかり、夢に
魘されたるもののごとし。) 紳士 (はじめて心付く)女郎、こっちへ来い。(杖をも....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
りたい。……」 と、日暮れになると、彼は高尾山中の岩窟からノッソリ姿を現わし、
魘されでもしているかのような口調で叫ぶのだった。 「おうい、くろがね天狗よ、洞か....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
厨子を据えて、さてどこへ置直そうと四辺を視た時、蚊帳の中で、三声ばかり、太く明が
魘された。が……此方の胸が痛んだばかりで、揺起すまでもなく、幸にまた静になった。....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
気な光沢を持った鼠色のその革鞄には、以来、大海鼠に手が生えて胸へ乗かかる夢を見て
魘された。 梅雨期のせいか、その時はしとしとと皮に潤湿を帯びていたのに、年数も....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
でございましょう。何でも悩み方が変なのでございますよ。その証拠には毎晩同じ時刻に
魘されましてね。」 小宮山も他人ごとのようには思いませぬ。 六 ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
|凄い。」 「招も善悪でござりまして、姫方や小児衆は恐いとおっしゃって、旅籠屋で
魘されるお方もござりますそうでござりまする。それではお気味が悪くって、さっさと通....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
待て、そこではなさそう。 「他に開ける処と言っては、窓だが、」 さてはまさしく
魘された? この夜更けに、男が一人寝た部屋を、庭から覗込んで、窓を開けて、と言う....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
…」 二十八 「寝てから多時経つ。これは昼間からの気疲れに、自分の
魘される声が、自然と耳に入るのじゃないか。 そうも思ったが、しかしやっぱり聞え....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
、突然にドドンと凄じい音がして、俄に家がグラグラと揺れ出したので、去年の大地震に
魘えている人々は、ソレ地震だと云う大騒ぎ、ところが又忽ちに鎮って何の音もない。で....
「お住の霊」より 著者:岡本綺堂
ッと眼を閉じると、燈火は消える、女の姿も消える。この途端に抱寝していた小児が俄に
魘えて、アレ住が来た、怖いよゥと火の付くように泣立てる。ようよう欺し賺してその晩....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
えば思うほど怖ろしい悪夢である。自分はやはり堀川の屋形に住んでいて、こんな悪夢に
魘われているのではないかと、小坂部は疑った。 かれの眼の前は俄かに明かるくなっ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
痛みましたから堪りません。 打明けては言いませんでしたけれども、二晩続けて私が
魘されたのを聞いたんで、婦人二人はもう厭だとかぶりを振ります。 有耶無耶の内は....