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魚の目
「魚の目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魚の目の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
ぐるぐると廻っただがな、大のしに颯とのして、一浪で遠くまで持って行った、どこかで
魚の目が光るようによ。 おらが肩も軽くなって、船はすらすらと辷り出した。胴の間....
「現代文学の広場」より 著者:宮本百合子
握し再現してゆこうとする客観的な方法である。民主的文学運動は、靴の中に一つの痛い
魚の目をもって歩いている。文学における政治の優位性という概念規定の非科学的な、し....
「幸福の建設」より 著者:宮本百合子
れども、家庭のなかでも、同じお魚でもお父さんや何かにはお頭のよい方を差上げる。お
魚の目玉にはビタミンAがありませんけれども、頭の方には栄養があるのかも知れません....
「火星兵団」より 著者:海野十三
れはもちろん火星兵団の宇宙艇であった。
火星兵団の宇宙艇は、前と後とに、大きな
魚の目のような窓がまぶしく光っており、艇全体が、薄桃色の光の霧のようなものでおお....
「鼠と鳩麦」より 著者:宮本百合子
「いつだか。――何年かの間にいつの間にか出来ちゃった。変でしょう? 三つもこんな
魚の目みたいなものが拇指にばっかり出来るなんて……」 「拇指に出来ると、親に死に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ほどの向う見ずもやりたくなく、思案のはてが、いきなり、 ゆく春や鳥|啼《な》き
魚の目はなみだ と、ぶっつけ書きに、墨壺の水のゆるすだけを大きくなぐりつけて、....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
もたかい山にのぼることもできました。人間のいる国ぐにには森も畑もあって、それは人
魚の目のとどかないとおくまではてしなくひろがっていました。そこで、このひいさまの....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
めのような痛さがつきまとっている。砂漠の砂上に落ちた目だ。 ゆく春や 鳥啼き
魚の目に涙 芭蕉は何を見てこの句をつくったのだろう。これは、たしか、奥州の旅に....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
たので、ひとつ一杯やろうじゃあないかというので、酒を飲んでみんなで喜んで吸い物の
魚の目だまを箸でつついたわけであります。その魚というものは、巡査と子どもとの間の....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
だよ。」 「可厭な、先生。」 「何が先生だい、さあ、※って。」 小指の反った白
魚の目は、紅い指環にうつして、消えそうな身を三口ばかり、歯に触りそうにもないのを....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
を粉にしてのみ、あるいは、打咽には柿のへたを紛にしてこれをのみ、耳に水が入れば、
魚の目玉を黒焼きにしてのみ、蟹の毒にあたれば紫草を食し、西瓜にあたれば唐辛を食し....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
」 と、告げて行った。 「なんだ、何が来たと」 「藤次といった」 「冬至冬至、
魚の目か」 お甲と祇園藤次は、あきれ顔して部屋の口に立っていた。誰も彼を待った....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
かくに目じるしをつけて一年放して置くという話だけはあったのです。 また天狗様は
魚の目が好きだという話もありました。遠州の海に近い平地部では、夏になると水田の上....