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魚屋
「魚屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魚屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
寸。 「おう、」と突込んで長く引いた、遠くから威勢の可い声。 来たのは江戸前の
魚屋で。 二 ここへ、台所と居間の隔てを開け、茶菓子を運んで、二....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
を言うのではない。…… 活づくりはお断わりだが、実は鯉汁大歓迎なんだ。しかし、
魚屋か、何か、都合して、ほかの鯉を使ってもらうわけには行くまいか。――差し出たこ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
いるが、うちにはない正月(高いだけではなく粗悪で、とても買って来て届けられないと
魚屋さんがいう)、汁粉屋だ中華料理だ酒だ何だと街には並んでいるが、そっちへは近づ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
は市中の汚水を集めて濁っている。 復一が六年前地方の水産試験所を去って、この金
魚屋の跡取りとして再び育ての親達に迎えられて来たときも、まだこの谷窪に晩春の花々....
「河明り」より 著者:岡本かの子
鉤大小。タンベイ。 足中草履。引切。 ローマ字から判読するこれ等は、誰か爪哇で
魚屋を始める人があって、その道具を注文して来たのだった。 一礼して去る小店員に....
「古狢」より 著者:泉鏡花
いのも、もの侘しい。蒟蒻の桶に、鮒のバケツが並び、鰌の笊に、天秤を立掛けたままの
魚屋の裏羽目からは、あなめあなめ空地の尾花が覗いている……といった形。 ――あ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
水が迸る。 鰒は多し、また壮に膳に上す国で、魚市は言うにも及ばず、市内到る処の
魚屋の店に、春となると、この怪い魚を鬻がない処はない。 が、おかしな売方、一頭....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
と、なきながら子をくわえて皈って行く。片翼になって大道に倒れた裸の浜猫を、ぼての
魚屋が拾ってくれ、いまは三河島辺で、そのばさら屋の阿媽だ、と煮こごりの、とけ出し....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
ものは何度も何度も洗ったり泥を吐かせたりしなければならぬ。寒い季節になると巴里の
魚屋の店頭にはこうして産地から来た蝸牛が籠の中を這い廻っている。 蝸牛料理はま....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
の鈴の音こそ聞えませぬが、馬、車、処の人々、本願寺|詣の行者の類、これに豆腐屋、
魚屋、郵便配達などが交って往来引きも切らず、「早稲の香や別け入る右は有磯海」とい....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
る真似して、少年が手に傾けた件の畚を横目に、 「生憎、沙魚、海津、小鮒などを商う
魚屋がなくって困る。奥さんは何も知らず、銑太郎なお欺くべしじゃが、あの、お松とい....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
いつか常太郎君から差入れがあったが、帰って来ているのか。宮永はどうしている。南の
魚屋はどうした。諸君によろしく。 大森へ旗の縫賃を払ってくれ。いくらとも決めて....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
て来た加奈子の視力はまたここで距離感を失った。 もし手前の坂の左側にある小さい
魚屋の店先に閃めく、青い鰺やもっと青い鯖がなかったら加奈子は夢を踏んでその向う坂....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、海の底のピラミッドを影で覗く鮮さがある。この深秘らしい謎の魚を、事ともしない、
魚屋は偉い。 「そら、持ってけ、持ってけ。賭博場のまじないだ。みを食えば暖か暖か....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
である。そればかりでなく、私は此処で協同組合の組合長をしている。協同組合で風呂、
魚屋、八百屋を経営して居るからいわば
魚屋のオヤジであり、八百屋のオヤジであり、風....