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「魚心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

魚心の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
「心得ました」 飛び込んでいくと、あたりはばからず七造がわめきたてました。 「魚心がありゃ水心だ。百両出すか、出さねえか。出さなきゃ三尺たけえ木の空へ、うぬら....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
肯いてくれなければ、わたしの方でもあなたの云うことを肯きませんよ。そこが、それ、魚心に水心とか云うんじゃありませんか。」 「だから、また出直してくる。きょうは堪....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
が、青島から帰りに、周村でつれてきて、呉れてよこした男だ。 中津は陳を呼んで、魚心があれば水心だ。それ相当のむくいをしてやる。が、俺れと、俺れの兄弟を裏切るよ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
然と見える。……おお、大蟹、今ほどはお助け嬉しい、難有かったぞ。 蟹五郎 水心、魚心だ、その礼に及ぼうかい。また、だが、滝登りもするものが、何じゃとて、笠の台に....
便乗の図絵」より 著者:宮本百合子
はこういうこともした、ああいうこともすると見せていた。それが、この頃では、目先の魚心と水心に結ばれて、より強大な独占資本がのぞむだけ自由勝手に日本の生産企業の中....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
心地が悪い、鯉が空気と住んでいるようなものだ、鯉は水と住まなくてはならない、即ち魚心水心というて心と心と相通じる事がなくてはやり切れない、魂はおなじ魂を呼ぶから....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
役者はそのあとですぐに言い添えたのだった。 「ただ、お前にもわかってるだろうが、魚心あれば水心と言ってね……。」 彼女は処女だった。人からいろいろ挑《いど》ま....
紫大納言」より 著者:坂口安吾
と男のはるかな想いを結びあわせる糸ともなれば、恋の涙を真珠にかえる役目もします。魚心あれば水心とは申しませぬ。五日の後に、この笛は、きっとおてもとに返しましょう....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ことだ、いいようにしろって、まあ、命に別条は無え。然し、なあ、深雪、水心あれば、魚心ってんだ。魚心あれば、水心――まあ、何っちでもええやな。憎さが――そうじゃね....
魔像」より 著者:林不忘
嘩渡世の茨右近か」 「さようでござる。して、おん身《み》は?」 「吾輩か。吾輩は魚心堂《ぎょしんどう》じゃ」 「ほウ、あの、いたるところ釣りをして歩いて巷に道を....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
くクソをしておけ、というのだ。十兵衛はこの第一課を先ずノートに記入した。 神伝魚心流極意。師口伝。 初心。 その一。朝ごとにネンボよくこけ。 十兵衛の書....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
どんらん性は、無理を強いた側のみにあって、無理を呑みこんだ側にはないのか。これは魚心と水心だ。罪があるなら、罪は五分五分のたたき分けでなければならないはずである....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
トフェレス 所でこちとらも物を頼まれましたよ。 ファウスト それは魚心あれば水心だ。 メフィストフェレス なに。その女の亡くなった亭主の髑....
なりひら小僧」より 著者:山中貞雄
めと盃をさし、 T「其方を番所へ引ッ立てるとは申さん」 と言って、 T「其処は魚心あれば何とやら」 と言って、 T「身共の一味に加わらぬか?」 お小夜がせ....