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「魚河岸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

魚河岸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
去年の春の夜《よ》、――と云ってもまだ風の寒い、月の冴《さ》えた夜《よる》の九時ごろ、保吉《やすきち》は三人の友だちと、魚河岸《うおがし》の往来を歩いていた。三人の友だちとは、俳人の露柴《ろさい》、洋....
槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
について上りはじめた。上りはじめて少し驚いた。路といってはもとよりなんにもない。魚河岸《うおがし》へ鮪《まぐろ》がついたように雑然ところがった石の上を、ひょいひ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、お北は又|訊《き》いた。 「それはね」と、お勝は更に説明した。「四、五日前に白魚河岸《しらうおがし》のおじさんが御年始にきた時に、お母さまに話したので……。八....
婦系図」より 著者:泉鏡花
柳橋の蔦吉さんが、情人と世帯を持った家だ、汝達の手に渡すもんか。め組の惣助と云う魚河岸の大問屋が、別荘にするってよ、五百両敷金が済んでるんだ。帰れ、と喚くと、驚....
古狢」より 著者:泉鏡花
の背後から覗いていたのが、連立って歩き出して、 「……と言われると、第一、東京の魚河岸の様子もよく知らないで、お恥かしいよ。――ここで言っては唐突で、ちと飛離れ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
屋の団扇はなければならぬものとなって、毎年の年の市には景物|目的のお客が繁昌し、魚河岸あたりの若い衆は五本も六本も団扇を貰って行ったそうである。 これほどの才....
甘鯛の姿焼き」より 著者:北大路魯山人
。白皮とは普通のように皮が赤くなく、薄桃色とか、白いものをいうのであって、東京の魚河岸に行くと普通のたいの二倍、三倍の値がしている。それだけに非常にうまい魚であ....
いなせな縞の初鰹」より 著者:北大路魯山人
のではあるまい。陸路を威勢よく走って運ばれたものであろうが、それにしても日本橋の魚河岸に着く時分は、もはや新鮮ではあり得なかったろう。それでも江戸っ子は狂喜して....
鰻の話」より 著者:北大路魯山人
ぎがよい」というようなお国びいきもあるし、土地土地の自慢話も聞かされるが、東京の魚河岸、京阪の魚市場に代表的なものがある。素人ではうなぎの良否の判別は困難だが、....
塩昆布の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
、売りものの仕入れ品などは適当でない。 この昆布は京都の松島屋、東京ならば築地魚河岸の特産店、日本橋室町の山城屋とかが取り扱っているものだ。つまり、だし昆布の....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
地唄調というところで、いとも静かな一見養子風の歯がゆいまでにおとなしい男。毎朝|魚河岸に出かけ、帰るやただちに仕込みにかかる。飯が炊けて客を迎えるまでには相当時....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
一 明治も改元して左程しばらく経たぬ頃、魚河岸に白魚と鮎を専門に商う小笹屋という店があった。店と言っても家構えがあるわけ....
洗いづくりの美味さ」より 著者:北大路魯山人
ないが、こればかりはどうしても天下一品と叫ばざるを得ないのである。 東京築地の魚河岸における朝の生簀には、その偉容、実に横綱玉錦といった風な面構えをもって、水....
洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
うであるが、幸い品も豊富で、東京の一流どころの料亭十軒ばかりが使うだけは、毎朝の魚河岸に、その生彩を点じている。 まこがれいもちょっと食える。石がれいに至ると....
東京で自慢の鮑」より 著者:北大路魯山人
も、夏の東京における美食は恵まれている。大きさなら一つ五、六百匁のものは、毎朝の魚河岸にざらに並べられている。この大物は雌で、肉面が粘土色をして、見るからにやわ....