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「魚籠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

魚籠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
渡ったかと思うときに、彼はどうしたのか俄かに足を停めた。と見る間もなく、彼は頭の魚籠《びく》を小脇に引っかかえて、欄干から川のなかへざんぶと飛び込んだので、往来....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のさ」 「その釣り道具を見せてくれ」 半介はすぐに立って、奥の台所から釣り竿と魚籠を持ち出して来た。 「おまえさん、まだわっしを疑っているね」と、彼は笑った。....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
ゃ、おっ母、行って来るぞ。 おきん ああ行って来い! (二人の兄弟、「前掻き」と魚籠とを持って出て行く。入れ違いに村人勘五郎、慌しく入ってくる) 勘五郎 おきん....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にか食い物はないか。腹が減った」 隠居も千八もおどろいていると、男はそこにある魚籠に手を入れて、生きた小魚をつかみ出してむしゃむしゃと食った。二人はいよいよ驚....
海底大陸」より 著者:海野十三
かったって、ほんとうなの。どこにいたの」 と、三千夫少年も、カニばかりはいった魚籠をかついで、スミス警部のところへとんできた。いまや警部は船内の畏敬のまととな....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
れない小僧を連れていました。小僧は十五六で、膝っきりの短い汚れた筒袖を着て、古い魚籠をかかえていました。それをみて皆まずほっとしたそうです。 その魚籠のなかに....
蘆声」より 著者:幸田露伴
半盞の番茶を喫了し去ってから、 また行ってくるよ。 と家内に一言して、餌桶と網魚籠とを持って、鍔広の大麦藁帽を引冠り、腰に手拭、懐に手帳、素足に薄くなった薩摩....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
であろうが、ここらは南の国といってもやはり秋が早く来ると思いながら、からっぽうの魚籠をさげて帰った。いや、帰ったといっても、ようよう半道ばかりで、その辺から川筋....
縁談」より 著者:佐藤垢石
う』 『えへへ』 『おぼんには、何を送ってよこそうな』 『えへへ』 私が大きな魚籠に入れた鯛をさげて帰京する時、森山さんは駅まで送ってきて、 『では、何分お心....
想い出」より 著者:佐藤垢石
に手網で受けるのを見た。技術も上手であるが、鮎も沢山いるらしい。 私は、老人の魚籠を覗いた。老人は囮箱でなく、竹で編んだ魚籠を使っていたのである。大きな籠の中....
桑の虫と小伜」より 著者:佐藤垢石
りにも泥鰌釣りにも伴って行った。六、七歳の頃になると、鰻の穴釣りに、私のうしろを魚籠をさげて歩いた。赤城山麓の方から、榛名山麓の細流まで、二人で鰻の穴を捜し歩い....
香気の尊さ」より 著者:佐藤垢石
取り扱いとか始末とかについて書いてみたいと思う。 鮎は釣ったならば、水に浸けた魚籠に入れて生かしておき帰るときに上げるか、大きなものはそのまま殺して風通しのい....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
親方の家とて普通の漁師の家よりはやや大型である。庭に汐錆び松数本。その根方に網や魚籠が散らかっている。庭の上手の方にほんの仕切りしただけの垣があり、枯れ秋草がし....
白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
見ますと、裏口の戸があいていたので、暗い中をのぞきこむように頭を差し入れますと、魚籠のにおいを嗅ぎつけたと見えて、留吉が中から走りだしてきました。 留吉は妙な....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、」 と、八郎が声を掛けた優婉な婦が居て、菊の奥を台所口から入ったお悦の手から魚籠を受取った。……品のいい、おとなしづくりの束髪で、ほっそりした胸に紅い背負上....