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魚紋
「魚紋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魚紋の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
買った。社へもどって、ひらいてみると、頁の間から一枚の見覚えのある用箋が現れた。
魚紋書館の用箋だ。矢島も神尾も出征まではそこの編輯部につとめていたのだ。紙面には....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ためた男女二人の若い東洋人。幾百千とも知れぬ小魚が、くるくると光の渦を巻きながら
魚紋を描いているのを指《ゆびさ》して、鮒《ふな》じゃ、鯉《こい》じゃ、といい争っ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
見ない振りをして、河原の岩に腰を下ろした。汀の浅瀬に、小さな魚の群れが、のどかな
魚紋を描いている。 (来るか? 来ないか?) と、お通の様子を、隠居は、その魚....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
目も顕れない。
もっとも、相手は三疋や四疋ではないのだ、まるで深淵に群れている
魚紋のような無数の影が、尾を振り、牙を剥いて、樹の皮が裸になるほど、顫いている空....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
る。 ともあれ、それは五月八日もまだまっ暗な寅ノ上刻(午前三時)ごろ。 黒い
魚紋のように、社頭に群れて、はやくから逸る駒を泳がせていた武者ばらの影は、やがて....