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魚鳥
「魚鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
魚鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
のわたりの人は言葉や気は荒かったが、根は親切だった。餓えて憩っている老翁のために
魚鳥の獲ものの剰ったのを持って来て呉れたり、菱の実や、黒慈姑《えぐ》を持って来て....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ち蚕を殺すことによって絹糸や絹布は造られる。 嬰児が成長して子供となるや穀物や
魚鳥を常食する。これらの物には生命がある。これらの生命を断たなければ一日といえど....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
わば昔の我に対する三年の喪をやったようなものだ。以前はダシにも昆布を使った。今は
魚鳥獣肉何でも食う。猪肉や鯛は尤も好物だ。然し葷酒(酒はおまけ)山門に入るを許し....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
は私には全くわからない。しかし私の書き抜いた長短わずかに二十三句の中にこういう「
魚鳥」複合といったようなものが三度までも現われているのは決して偶然とは思われない....
「特殊部落の犯罪」より 著者:豊島与志雄
や時には鼈《すっぽん》や、或は禁を犯して杜鵑《ほととぎす》など、肺病に利くという
魚鳥を捕って持ってゆくと、いつも充分の金をくれた上に、樽からじかにコップへ注いで....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
あったようだ。みんなは覚えていないが……実際そう胸にぴんと響くのは少いようだね。
魚鳥のこころは知らず年のくれ 七夕のあわぬこころや雨中天 葉にそむく椿や花のよそ....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
J 公共の園の樹木の枝葉を折り取るべからざる禁制は、尤もである。公共の池の
魚鳥を捕うべからざる禁制も、尤もである。 だが、園の方はともかく、池で、六七歳....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
人間に成り変った。またある者は虫ケラ同様にいつまでも人を食っていた。またある者は
魚鳥や猿に変化し、それから人間に成り変った。またある者は善いことをしようとは思わ....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ら海参《なまこ》やら鴿《はと》のようなものを盛ったのが四色、四点心といってこれは
魚鳥《ぎょちょう》や豚の肉と野菜とを固めたような料理が四色、それだけを食べてしま....
「法然行伝」より 著者:中里介山
罪でございますか。 (答)本当は飲まないがよいけれども、この世のならい。 (問)
魚鳥を食い、いかけ(身を清むること)して経を読んでもようございますか。 (答)い....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
とし、すぐ、別な旨を言いだしていた。 「喪に服して、今日から七日の間、尊氏は酒、
魚鳥を口にせず、別行(精進潔斎)を執ろうとおもう。そしてあすは内山にて、亡き妙恵....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
、脂物に飢えておる者ばかりじゃ。なお、行くてには、より以上な大難関が待っておる。
魚鳥の肉など、ある限り城下より集め、足軽の末にまで、ふんだんに与えてくれい」 「....
「山の人生」より 著者:柳田国男
の山中で炭焼く者の小屋へ、七尺余りの大山伏の遣ってくることを録している。ただし「
魚鳥の肉を火に投ずるときは、その臭気を厭うて去る」というのは、少しく前の沢蟹の話....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
にも後にも見えなかった。 久しい殺生禁断で、河岸すじの稼業はあがったりである。
魚鳥の禁令は、犬ほどではないが、川魚までが、美味なのはたいがい禁制項目に入ってい....