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「鮠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鮠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
太郎の心には、一瞬の間、幼かった昔の記憶が、――弟といっしょに、五条の橋の下で、《はえ》を釣《つ》った昔の記憶が、この炎天に通う微風のように、かなしく、なつか....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《すずかぜ》の通うのを幸と、水嵩《みかさ》の減った川に糸を下して、頻《しきり》に《はえ》を釣って居りました。すると丁度頭の上の欄干で、どうも聞いた事のあるよう....
令嬢アユ」より 著者:太宰治
嬢は、佐野君の釣竿を手に取り、糸を引き寄せて針をひとめ見て、「これじゃ、だめよ。《はや》の蚊針じゃないの。」 佐野君は、恥をかかされたと思った。ごろりと仰向....
岩石の間」より 著者:島崎藤村
期がやって来ましたよ……これで二三年前までは、川へ行って見ても鮎《あゆ》やハヤ()が捕れたものでサ。いくら居なくなったと言っても、まだそれでも二三年前までは居....
軍用鮫」より 著者:海野十三
、三年の鱸《すずき》が食いつこうと、あるいはまた間違って糸|蚯蚓《みみず》ほどの《はえ》(註に曰く、ハエをハヤというは俗称なり。形鮎に似て鮎に非なる白色の淡水....
食魔」より 著者:岡本かの子
川へ下りて行く。 その頃まだ加茂川にも小魚がいた。季節季節によって、鮴、川鯊、、雨降り揚句には鮒や鰻も浮出てとんだ獲ものもあった。こちらの河原には近所の子供....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
際は、書斎の窓の外に掘った池へ、書斎の中から釣竿を差し出して、憂鬱な顔をして鮒やを一日じゅう釣っていましたよ。関節炎で動けなくなっていました。母はもう父に対し....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
う。 赤い毛氈を敷いた一艘の屋形舟は、一行を載せ、夏の川風に吹かれながら、鮎やなどの泳いでいる清い流れの錦川を棹さして下った。 舟を下りてから稲田家までは....
古狢」より 著者:泉鏡花
の部落を隔てた処に、幽にその松原が黒く乱れて梟が鳴いているお茶屋だった。――※、、鮴の類は格別、亭で名物にする一尺の岩魚は、娘だか、妻女だか、艶色に懸相して、....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
すこし小柄でございましたので、十七歳ぐらいにしか眺められず、小さい口、つまみ鼻、の形をした艶のある眼、人形そっくりでございました。大工の棟梁とは申しましても、....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
やかに波を打っていた。その顔色は陶器のようで、ひどく冷たくて蒼白かった。眼の形はのようであった。眼尻が長く切れていた。耳髱へまで届きそうであった。その左の目の....
鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
」 「そうだろうね。」と、夫は笑いながら答えました。「ここらの川には鮎もいない、もいない。山女と鰻ぐらいのものだ。」 鰻――それがわたくしの頭にピンと響くよ....
飛沙魚」より 著者:佐藤垢石
石まで見える。二人は、カンテラの光りで、静かに淵の層を見た。いる、いる。鮎、※、などが淵の中層で、ぐうぐうやっている。魚類のことであるから、鼾声は聞こえないが....
淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
の前の河原は、一里もあろうと思うほど広い。白い衣物を着けた鮮人が舟に乗って小さいを釣っていた。 朝鮮の棋界は、甚だ盛んである。大阪、名古屋などの次に、京城の....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の橋があった。潺湲たる清流があった。 水は澄み、何か走る魚鱗の光が見えた。 「かしら。」 「いや、※かもしれない。」 向こうに山があった。椴松の林があった....