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鮨詰
「鮨詰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鮨詰の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
を、ぼんやり暗く照らしているのは、蓮華燈が六つあるばかり。その明滅する灯の下で、
鮨詰めの善男善女達が、襲いかかる睡魔を避けようためにか、蚊の唸るような声をあげて....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
い加減に踊らせたのだから天晴れな伎倆だ。あの人が正義の仲間だったら、天国は満員の
鮨詰めで、地獄のほうは、がらあきだ。いや、失敬。つい興奮し過ぎて、ポローニヤスが....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
りなので観客席の整理が不可能になったらしい。外廊から舞台の直前まで身動き出来ない
鮨詰で、一階から三階までの窓を全部|明放し、煽風機、通風機を総動員にしても満場の....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
助はまた東京へ出かけて来た。 それは午後の四時頃であった、中央線の電車は満員|
鮨詰《すしづめ》であってその大部分は学生であった。この頃はたまにしか電車に乗る事....
「球体派」より 著者:豊島与志雄
知れないが、横から、斜め横から見れば、誰にでも、「素人」にでも分る。満員の電車に
鮨詰めになっている雑多な人々の眼、それを斜め横から、眼瞼の下に円くふくらんでいる....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
り込まなければならないという必要からではあろうが、実にごたごたとよく色々のことが
鮨詰になっている。一頁の中に三つも四つもの器械の絵があったりする。見ただけで頭が....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
、精一杯の声で、 「やア、象の腹から血が流れてらア」 その声で、まわりの桟敷に
鮨詰《すしづ》めになっているのが一斉にそのほうを見る。 どうしたというのだろう....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
せん。早く自動車に乗って追っかけましょう」 俊夫君を先頭とした、私たち七人は、
鮨詰めになって自動車に乗り、寺男のあとを追っかけました。寺男ははるか向こうをまっ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すがほとんど詰切れない位集まる。その時の狭隘しい事というたら堪らんです。人間の箱
鮨詰というのはああいう時を指して言うのでしょう。子供などは人と人との間に挾まって....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
合っているようで、それに旅館の方でも例の講中式団体客並みに何でも一坪に二、三人の
鮨詰めで済ませるものと多寡をくくっていたらしいのだ。一等船客の贅沢達が三十人も押....