» 鮪

「鮪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鮪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
たまちかたぎ》よりは伝法《でんぼう》な、山の手には勿論縁の遠い、――云わば河岸の鮪《まぐろ》の鮨《すし》と、一味相通ずる何物かがあった。……… 露柴はさも邪魔....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
。上りはじめて少し驚いた。路といってはもとよりなんにもない。魚河岸《うおがし》へ鮪《まぐろ》がついたように雑然ところがった石の上を、ひょいひょいとびとびに上るの....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。 ええ、飲みましたとも。鉄砲巻は山に積むし、近所の肴屋から、鰹はござってら、鮪の活の可いやつを目利して、一土手提げて来て、私が切味をお目にかけたね。素敵な切....
「海異記」より 著者:泉鏡花
「だって、だって、何だ、」 と奴は口惜しそうな顔色で、 「己ぐらいな年紀で、鮪船の漕げる奴は沢山ねえぜ。 ここいらの鼻垂しは、よう磯だって泳げようか。たか....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
遠慮なく……」 「じゃあ……」といって、僕はその紙包みを開いて、台の上に載せた。鮪も小鰭も鳥貝も、みなぺちゃんこになっていた。 「君もよかったら一つ喰べないか。....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
捧出でて位置を変えて据えたるは、その白き方一脚なり。 僧都 真鯛大小八千枚。鰤、鮪、ともに二万｜疋。鰹、真那鰹、各一万本。大比目魚五千枚。鱚、魴※身魚、目張魚、....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
い。 私は話の中のこの魚を写出すのに、出来ることなら小さな鯨と言いたかった。大鮪か、鮫、鱶でないと、ちょっとその巨大さと凄じさが、真に迫らない気がする。――ほ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
。警報は出ないが、しかし油断はならないぜ」 暁の空襲警報 茨城県｜湊町の鮪船が四｜艘、故郷の港を出て海上五百キロの沖に、夜明を待っていた。 その鮪船は....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
て、渋茶を振舞ってみた処で、近所の鮨を取った処で、てんぷら蕎麦にした処で、びん長鮪の魚軒ごときで一銚子といった処で、京から降って来た別嬪の摂待らしくはありません....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
込み、 「や、そいつあ気がつかなかったい。」 「今日はね河岸へ大層着いたそうで、鮪の鮮しいのがあるからお好な赤いのをと思って菊ちゃんを一人ぼっちにして、角の喜の....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
らたらたら、」と胸へ真直に棒を引く。 「うう、そして真赤か。」 「黒味がちじゃ、鮪の腸のようなのが、たらたらたら。」 「止しねえ、何だなお前、それから口惜いッて....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ろう。……馳走酒のひどいのをしたたか飲まされ、こいつは活がいいと強いられた、黄肌鮪の刺身にやられたと見えて、家へ帰ってから煩った、思い懸けず……それがまた十何年....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
と呼んで、「昨日弾正が来たよ、」などと能くいったもんだ。緑雨の『おぼえ帳』に、「鮪の土手の夕あらし」という文句が解らなくて「天下｜豈鮪を以て築きたる土手あらんや....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
に白魚と鮎を専門に商う小笹屋という店があった。店と言っても家構えがあるわけでなく鮪や鮫を売る問屋の端の板羽目の前を借りて庇を差出し、其の下にほんの取引きに必要な....
「古事記」より 著者:太安万侶
柴垣の燒ける柴垣です。 ここに王子がまた歌いますには、 大《おお》きい魚の鮪《しび》を突く海人よ、 その魚が荒れたら心戀しいだろう。 鮪《しび》を突く鮪《....