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鮮やか
「鮮やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鮮やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
《ほう》り出した。
その途端に何小二は、どうか云う聯想の関係で、空に燃えている
鮮やかな黄いろい炎が眼に見えた。子供の時に彼の家の廚房《ちゅうぼう》で、大きな竈....
「老年」より 著者:芥川竜之介
も冬めかしい。
その前へ毛氈《もうせん》を二枚敷いて、床をかけるかわりにした。
鮮やかな緋《ひ》の色が、三味線の皮にも、ひく人の手にも、七宝《しっぽう》に花菱《....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
いへん耳寄りな話だった。 自分の顔に幸運の黒子を植えつけるわけにはいかないが、
鮮やかな幸運の黒子を持つ若い女を女房に持てば相当運が向いてくるだろう。 「そりゃ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
しネ」 そういって彼女は、僕の家の隣家の戸を開いた。そしてスーッと中に入ると、
鮮やかな投げキッスを僕に送るなり、雨戸をピシャリと閉めた。 「……なんのことだ。....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
まった。 「さあ、三方から彼奴を囲んでしまうのだ。それ、懸れッ」 大江山課長は
鮮やかに号令を下した。が、そのとき塔の向うにフラフラ動いていた竜宮劇場専用の広告....
「蠅男」より 著者:海野十三
つけてしまった彼は、ひらりと自動三輪車の上にとびのると、エンジンをかけた。そして
鮮やかなハンドルの切り方でもって、ドンドン走りだした。 長吉は憤慨のあまり、下....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
初めに行く。三月十日の空襲から二日後に行って以来のこと。小本堂出来、朱塗りの色も
鮮やか。本堂建立のため、金五円也を寄進す。 ◯仲見世はいうに及ばず、境内いたると....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
洩れて来る強烈な光に照らされて、いま自動車が通り越したばかりの道端の道路標識が、
鮮やかにも浮きあがるのだ。そしてその幻のような闇の中の標識は浮きあがるかと見れば....
「河明り」より 著者:岡本かの子
纏縛という言葉が、ちらと私の頭を掠めて過ぎた。しかし、私は眼の前の会席膳の食品の
鮮やかさに強て念頭を拭った。 季節をさまで先走らない、そして実質的に食べられる....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
それ等の姐さんの三味線でかの女は踊りを二つ三つ踊った。それは小娘ながら水際立って
鮮やかなものであった。わたくしが褒めると、「なにせ、この子の実父というのが少しは....
「獄中記」より 著者:大杉栄
たてた建物の色彩は、雨の日や曇った日には妙に陰欝な感じを起させるが、陽を受けると
鮮やかな軽快な心持を抱かせる。 「鰯がうんと食えるそうだぜ。」 僕はすぐそばに....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
ツ弧形の花床には紅白黄紫の大輪菊がダリヤかと見えるようなはっきりした花弁をはねて
鮮やかに咲き停て居る。景子は思わず嘆声を洩した。 ――日本の菊!」 ――日本の菊....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
ざまな色彩が浮かぶ、昔見た美しいとじ糸のついた絵日傘が浮かぶ、いつか見た絵巻物が
鮮やかに展開する。そうしていつかしら私はぐっすり眠ってしまいます。また次の夜も同....
「虹と感興」より 著者:上村松園
った」とうちのものが申します。それで、私も思わず行水から出て、東の方を見ますと、
鮮やかな虹が立っておりました……その時私は、頓にこの屏風の図題に思いついたのでし....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
戦戦争的色彩の盛んであった時期には、統帥権の独立していたドイツは連合国に比し誠に
鮮やかな戦争指導が行なわれ、あのまま戦争の決が着いたならば統帥権独立は最上の方式....