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鯊
「鯊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鯊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
が落ちて虎に中《あた》り潰《つぶ》れ虎を汚して条紋を成したと。『本草』に海中の虎
鯊《こさ》能く虎に変ずとある。一八四六年カンニングハム大尉の『印度ラダック通過記....
「食魔」より 著者:岡本かの子
越え川へ下りて行く。 その頃まだ加茂川にも小魚がいた。季節季節によって、鮴、川
鯊、鮠、雨降り揚句には鮒や鰻も浮出てとんだ獲ものもあった。こちらの河原には近所の....
「河明り」より 著者:岡本かの子
原の宿、水も砂も船も一いろの紅硝子のように斜陽のいろに透き通る明るい夕暮に釣人が
鯊魚を釣っている広島太田川の宿。 水天髣髴の間に毛筋ほどの長堤を横たえ、その上....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
な盤台の中は鉛節が五六本に鮪の切身が少々、それから此はと驚かされたのは血だらけの
鯊の頭だ。
鯊の頭にはギョッとした。蒲鉾屋からでも買い出して来たのか。誰が買うのか....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
のシンボルである、然り、江戸ッ児のシンボルである。 釣りと網 寒鮒に始まって
鯊釣り、鱚釣り、鯔、海津など、釣りと網とは花に次いでの江戸ッ児の遊楽だ。 鮒は....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
材を截って櫓井戸を組み合せ、渋色をした鉱気水が、底によどんでいる、暫らく休んで、
鯊のつくだにで、冷たい結飯を喰べたが、折角あったと思った路は、ここで消えてしまっ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
でも分る。 かかる群集の動揺む下に、冷然たる線路は、日脚に薄暗く沈んで、いまに
鯊が釣れるから待て、と大都市の泥海に、入江のごとく彎曲しつつ、伸々と静まり返って....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
…客に接しては、草履を穿かない素足は、水のように、段の中途でもう消える。……宵に
鯊を釣落した苦き経験のある男が、今度は鱸を水際で遁した。あたかもその影を追うごと....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ら、素見を追懸けた亭主が、値が出来ないで舌打をして引返す……煙草入に引懸っただぼ
鯊を、鳥の毛の采配で釣ろうと構えて、ストンと外した玉屋の爺様が、餌箱を検べる体に....
「金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
た海の下に居るという漠然たる感じを与えた。 ノルマン風の犬歯状の模様が、巨大な
鯊の口に似たある感じを与えて、底知れぬ暗さの中に、アーチ中にかすかに残っていた。....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
声で鳴くものがあるので何気なく仰いで梢を見た。眼玉の飛び出た鰭の長い八尺あまりの
鯊のような魚が鰭で木の幹を攀じながら悲しそうに鳴いているのであった。 私達は尚....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
どが、牛蒡や青蕪と位置を争ってその存在を示すようになり、魚屋の店先へはかれい鮪や
鯊などと並んで、同じように存在を示すようになる。
葛の葉のうらみ貌なる細雨かな....
「香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
も、水温と密接の関係を持つ。 鰍の族が三、四十種あるうち、海近い河口に棲むダボ
鯊に似た鰍は肉に締まりがなく骨が硬い。ところが、川の上流水温の低い荒瀬に棲む、胸....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
よりしては女芸者を載せたる永代橋|下《した》の猪牙舟《ちょきぶね》、鉄砲洲石垣の
鯊釣《はぜつり》、また隅田川|鰻《うなぎ》かきの図等いづれも前《ぜん》二|家《か....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
七三・三四 二〇・四三 四・七八 一・四五
鯊《はぜ》 七九・一三 一八・三五 〇・五〇 ....