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鰍
「鰍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鰍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
蝦蟆説法という。 松江へ行って、道士の太古庵に仮寓していた。その時に見たのは、
鰍を切るの術である。一尾は黒く、一尾は黄いろい
鰍を取って、磨ぎすましたる刃物に何....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
緒言 前年雨のために失敗した白峰山登りを、再びするために、今年(四十一年)は七月下旬|高頭式、田村政七両氏と共に
鰍沢へ入った、宿屋は粉屋であった、夕飯の終るころ、向い合った室から、一人の青年が....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
源右衛門、廣澤の兵右衛門、江尻の和助、妙義の雷蔵、小金井の半助、御輿の三右衛門、
鰍澤の藤兵衛、三保松源蔵、藤岡の慶助――等々の人々であり、そこへ高萩の猪之松と、....
「石を食う」より 著者:佐藤垢石
だろうか。それはとにかく、岩魚は悪食だ。共食いもやる。水を渡る蜥蜴も食う。殊に、
鰍は大好物のようである。山村の子供が、岩魚釣りの置き鈎の餌には、
鰍を胴中から半分....
「鰍の卵について」より 著者:佐藤垢石
私の、山女魚釣りを習った場所は奥利根であった。この地元では春先、山女魚を釣るのに餌は
鰍の卵と、山ぶどうの虫を餌に用いたのである。 しかし、この二つの餌のうち、
鰍の....
「香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
峡中を流れる笛吹、釜無の二支流こそ花崗岩に満たされているが、この二支流を合わせた
鰍沢から下流一帯と支流の早川は、日本でも最も古い水成岩の転石が川底を埋めているか....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
きいのである。 笛吹川は甲武信岳の方から、釜無川は甲斐駒の方から、峡中を流れて
鰍沢で合し、俄然大河の相を具現して湲に移り潺に変わり、とうとうの響きを打って東海....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
穫は、妓生の美しさばかりではなかった。川魚料理である。カルユイ(小蟹)、ソガリ(
鰍魚)、フナ、ヒガイ(鰉)、ドジョウなど、いずれも眼下に眺める大同江の水から漁っ....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
このほど、最上川の支流小国川の岸辺から湧く瀬見温泉へ旅したとき、宿で
鰍の丸煮を肴に出してくれた。まだ彼岸に入ったばかりであるというのに、もう北羽州の....
「冬の鰍」より 著者:佐藤垢石
冬の美味といわれるもののうち
鰍の右に出るものはなかろう。 肌の色はダボ沙魚に似て黝黒のものもあれば、薄茶色....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
ません。関係者一同はだいぶ心配を始めました。というのは相手が悪い。 このお初は
鰍沢の吉五郎という博奕打ちの妾でした。吉五郎はここら切っての大親分で、子分の二百....
「迷信解」より 著者:井上円了
瓢箪を切りたる話は、『珍奇物語』と題する書中に出ておる。また、祈祷者が神酒徳利に
鰍をいれたる話は、『閑際筆記』に見えておる。多分その当時、民間にて評判されし出来....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
ろう。 緑雨が一日私の下宿で暮す時は下宿の不味いお膳を平気で喰べていた。シカモ
鰍の味噌煮というような下宿屋料理を小言|云い云い奇麗に平らげた。が、率ざ何処かへ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
木の、水に臨んで、幾株か並んでいる広い河原、そこに架けたる手摺なき長い橋を渡ると
鰍沢の町だ。私は右側の粉奈屋という旅店に投じた。丁度三時半。 二階から富士が見....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
売)だもの、コバエテ/\。 酒田山王山で鰕ンコとかんじかコ(かんじかコはかじか=
鰍のこと)と相撲取つたば(取ったれば)コバエテ/\、蝦コなして(何故に)又|腰や....