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「鰍沢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鰍沢の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
緒言 前年雨のために失敗した白峰山登りを、再びするために、今年(四十一年)は七月下旬|高頭式、田村政七両氏と共に鰍沢へ入った、宿屋は粉屋であった、夕飯の終るころ、向い合った室から、一人の青年が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てしまうようなことはなかろうか」 「それは何とも言えません……なにしろこの川は、鰍沢《かじかざわ》から岩淵まで十八里の間、下る時は半日で下りますが、これを上へ引....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
陸《おか》へ上りました。 高田村で舟を捨てた時分には、もう夜が明けていました。鰍沢《かじかざわ》まではいくらもない道程《みちのり》、兵馬はお君のために道を枉《....
剣侠」より 著者:国枝史郎
高萩一家も準備をはじめた。 驚いたのは他の貸元連で、小金井の半助、江尻の和助、鰍沢の藤兵衛、三保ノ松の源蔵、その他の貸元ほとんど一同、一つ旅籠へ集まって、仲裁....
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
という噂があったが、もしほんとうであったら、もってのほかだ。 笛吹川と釜無川は鰍沢で合して富士川となり、俄然大河の相を備えて岩に砕け、滔々の響きを天に鳴らして....
香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
峡中を流れる笛吹、釜無の二支流こそ花崗岩に満たされているが、この二支流を合わせた鰍沢から下流一帯と支流の早川は、日本でも最も古い水成岩の転石が川底を埋めているか....
香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
きいのである。 笛吹川は甲武信岳の方から、釜無川は甲斐駒の方から、峡中を流れて鰍沢で合し、俄然大河の相を具現して湲に移り潺に変わり、とうとうの響きを打って東海....
冬の鰍」より 著者:佐藤垢石
上がってきた天ぷらは、衣に波形の皺がよって――塩で食べれば大いにうまい。 甲州鰍沢の街は、笛吹川と釜無川と合して富士川になるのど口である。鰍沢というくらいであ....
水と骨」より 著者:佐藤垢石
を出て日下部付近までは冷たいが、石和へくると段々湯のようである。そして富士川は、鰍沢を出て再び峡谷に入るのであるが、流れは温かのままである。 那珂川もそうであ....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
ません。関係者一同はだいぶ心配を始めました。というのは相手が悪い。 このお初は鰍沢の吉五郎という博奕打ちの妾でした。吉五郎はここら切っての大親分で、子分の二百....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
木の、水に臨んで、幾株か並んでいる広い河原、そこに架けたる手摺なき長い橋を渡ると鰍沢の町だ。私は右側の粉奈屋という旅店に投じた。丁度三時半。 二階から富士が見....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
人庄どんという農夫の、二人だったというのです。 「その庄吉は、一昨日からこの先の鰍沢さいって、まだ戻んねえでやすが……」 湖は周囲一里半、山の影を映し、森を映....