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「鰐皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鰐皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
その室《へや》を出ると、倉地は窓の所に寄って行って、衣嚢《かくし》の中から大きな鰐皮《わにがわ》のポケットブックを取り出して、拾円札のかなりの束を引き出した。葉....
野分」より 著者:夏目漱石
にならないからな」 「君は何を呑むのだい」 「これを一つやって見たまえ」と洋服が鰐皮《わにがわ》の煙草入から太い紙巻を出す。 「なるほどエジプシアンか。これは百....
食魔」より 著者:岡本かの子
なかった。鼈四郎は渋々筆を執った。繃帯を除くとレントゲンの光線|焦けと塗り薬とで鰐皮色になっている堆いものの中には執拗な反人間の意志の固りが秘められているように....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
をたどりしなり。 武男が舅中将より千々岩に関する注意を受けて帰りし両三日|後、鰐皮の手かばんさげし見も知らぬ男突然川島家に尋ね来たり、一通の証書を示して、思い....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
た小さな鋏一個。 ◆上衣 【右内】万年筆のインキの切れかかったままのもの一本。鰐皮の紙入れ一個。その内容は百円札七枚、十円札二枚、五十銭札五枚。一銭銅貨二枚。....
」より 著者:佐左木俊郎
一 彼女は銀座裏で一匹のすっぽんを買った。彼女のそれを大型の鰐皮製のオペラ・バッグに落とし込んで、銀座のペーヴメントに出た。 宵の銀座は賑....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
実は……」 この分だと、貫一の着た高等学校の制服だの、赤樫《あかがし》の持った鰐皮《わにがわ》のカバンまで探して来るかも知れない。閑話休題としても、当人は閑人....
暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
おや、――これは何だろう?」 机の上に婦人の手提袋があった。気のきいた小さな、鰐皮のものであった。ホームズは中のものを取り出した。その中には、英蘭銀行の五十|....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
の急行列車が東京駅に着いて乗客は全部降車したが二等車の中に、パラソルとショール、鰐皮のハンドバッグ、小さいスーツケース一個が遺留されて居り、荷物の持主の姿がどこ....