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鰡
「鰡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鰡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
く船に乗った。船にはきっと腰蓑《こしみの》を着けた船頭がいて網を打った。いなだの
鰡《ぼら》だのが水際まで来て跳ね躍《おど》る様が小さな彼の眼に白金《しろがね》の....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ないといって大《おおい》に憤慨している。元来我々同族間では目刺《めざし》の頭でも
鰡《ぼら》の臍《へそ》でも一番先に見付けたものがこれを食う権利があるものとなって....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
っぽい涼味が潤沢だった。下げ汐になった前屈みの櫓台の周囲にときどき右往左往する若
鰡の背が星明りに閃く。父はあまり遠くない蘆の中で、カンテラを燃して数珠子釣りをや....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
な鰹が釣れるとよ」 伴「馬鹿な事を仰しゃい、川で鰹が釣れますものかね、たか/″\
鰡か※ぐらいのものでございましょう、兎も角もいらっしゃるならばお供をいたしましょ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がその小康時代ともいうべきものでしょう。ナゼならば、先生の唯一の好敵手たる隣りの
鰡八御殿《ぼらはちごてん》の主人公が、洋行から戻って来た暁には、またぞろ百五十万....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
庵先生も決して競争を非とはしない。むしろ大いに好んで競争をやりたがる。さればこそ
鰡八大尽《ぼらはちだいじん》の如きをさえ向うに廻して大いに争ったが、その争いたる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
知れた時に、先生が非常に憤慨してしまいました。その普請というのは、そのころ有名な
鰡八大尽《ぼらはちだいじん》というものの妾宅なのであります。
鰡八大尽というの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぞれの人材が出かけることになりました。 それとはまた別に、長者町に妾宅を構えた
鰡八大尽《ぼらはちだいじん》も、御多分に洩れず洋行することになりました。これは政....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
特別に嬉しいことがあっての上でなければなりません。 先生が唯一の好敵手であった
鰡八大尽《ぼらはちだいじん》は、あの勢いで洋行してしまったし、それがために、隣の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
笛を吹いてみるに恰好《かっこう》だと思いました。 この櫓というのは、道庵先生が
鰡八大尽《ぼらはちだいじん》に対抗して、馬鹿囃子《ばかばやし》を興行するために特....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
ほうき》安綱の巻、十三如法闇夜の巻、十四お銀様の巻、十五慢心和尚の巻、十六道庵と
鰡八の巻、十七黒業白業の巻、十八安房の国の巻、十九小名路の巻、二〇禹門三級の巻。....
「季節の味」より 著者:佐藤垢石
、味の季節の頂上とがいつも一致すると考えていい。 十一月初旬から江戸前で釣れる
鰡についてみると一番分かる。十二月下旬になって産卵のため外洋へ出る途中の東京湾口....
「蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
太鰹の腸の叩き。まぐろのいすご、鱸の腹膜、このわた、からすみ、蜂の子、鮭の生卵、
鰡の臍、岩魚の胃袋、河豚の白精など、舌に溶け込むようなおいしい肴の味を想い出して....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
山女魚はいまさら説くまでもあるまい。三保の松原が囲んだ清水港、ここには黒鯛と鱸と
鰡といくらでも釣り人を楽しませてくれる。またここの釣り舟は近年大した発達を示した....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
城内まで漕つけ、藤堂采女、玉置小平太抔云う、藩政時分の家老屋敷の並んでいる、里俗
鰡堀へ差懸ると俄然、紫電一閃忽ち足元が明く成た、驚て見ると丸太ほどの火柱が、光り....