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鰥
「鰥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鰥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
の縄をどうして手に入れたかという話を吉田にして聞かせた。 それはその町に一人の
鰥夫《やもめ》の肺病患者があって、その男は病気が重ったままほとんど手当をする人も....
「伸び支度」より 著者:島崎藤村
って父《とう》さんは笑《わら》った。 そういう袖子《そでこ》の父《とう》さんは
鰥《やもめ》で、中年《ちゅうねん》で連《つ》れ合《あ》いに死《し》に別《わか》れ....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
にはある。そして右側に黒子のある人はたいへん幸運なんだそうだよ。きみもいつまでも
鰥夫《やもめ》でいずに、今度は幸運の黒子のある若い女でも探し当てて再婚してはどう....
「家霊」より 著者:岡本かの子
ば業が続かん。そのほかにも、うらぶれて、この裏長屋に住み付いてから二十年あまり、
鰥夫《やもめ》暮しのどんな佗《わび》しいときでも、苦しいときでも、柳の葉に尾鰭《....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
かし二人の現状不在証拠法はすこし根拠が薄弱である。というのが、圭さんの方は当時、
鰥夫暮しで、二人のよく睡る子供と一緒に睡っていたというし、吉公の方は一時就寝、十....
「食魔」より 著者:岡本かの子
あった。最後に厄介になったのは父の碁敵であった拓本職人の老人の家だった。貧しいが
鰥暮しなので気は楽だった。母親は老人の家の煮炊き洗濯の面倒を見てやり、彼はちょう....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
すから、早くお貰いなすっては何うです、ねえ旦那」 幸「左様だ、失礼な云分だが、
鰥夫に何とやらで万事所帯に損があるから、好いのを見付けて持ちなさい」 長「だっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の旨を本陣に届けいでよ。総督の進発については、沿道にある八十歳以上の老年、および
鰥寡、孤独、貧困の民どもは広く賑恤する。忠臣、孝子、義夫、および節婦らの聞こえあ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
者が有りまして、生れつき美男で、年は二十一歳なれどもまだ妻をも娶らず、独身で暮す
鰥に似ず、極内気でございますから、外出も致さず閉籠り、鬱々と書見のみして居ります....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
どうする」 由「まア誂えやアしませんがねえ……何か外に肴が出来ますか」 女「アノ
鰥が出来ます」 由「寡婦、それは有難い、やもめの好いのはないかと心掛けて居るので....
「嬰寧」より 著者:田中貢太郎
「君はどうしてその名を知っているね。」 「秦の姑さんが没くなった後で、姑丈さんが
鰥でいると、狐がついて、瘠せて死んだが、その狐が女の子を生んで、嬰寧という名をつ....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
となり、是より度々此の家へ丹治親子が遊びに参りますると、丹治も年四十五歳なれども
鰥暮しでございますし、おかめも夫角右衞門が亡りまして未だ三十七という年で、少し梢....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
よりも、嫁にやったほうが無難らしい」
嘉門の女房は数年の前に死んで、今は嘉門は
鰥夫であった。子供はお菊一人しかない。で、嘉門はお菊に対しては、父としての世話を....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
奈汝何 節山居士 抑々男女室に居るは人の大倫であり、
鰥寡孤独は四海の窮民である。天下に窮民なく、人々家庭の楽あるは太平の恵沢である。....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
こちと
所嫌わずにお歩きになるのも好いでしょう。
でもいつかお年がお寄になって、
鰥夫のままで墓へ行く道を足を引き摩って
おいでになるのは、どなただっておいやでし....