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鰥夫
「鰥夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鰥夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
の縄をどうして手に入れたかという話を吉田にして聞かせた。 それはその町に一人の
鰥夫《やもめ》の肺病患者があって、その男は病気が重ったままほとんど手当をする人も....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
にはある。そして右側に黒子のある人はたいへん幸運なんだそうだよ。きみもいつまでも
鰥夫《やもめ》でいずに、今度は幸運の黒子のある若い女でも探し当てて再婚してはどう....
「家霊」より 著者:岡本かの子
ば業が続かん。そのほかにも、うらぶれて、この裏長屋に住み付いてから二十年あまり、
鰥夫《やもめ》暮しのどんな佗《わび》しいときでも、苦しいときでも、柳の葉に尾鰭《....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
かし二人の現状不在証拠法はすこし根拠が薄弱である。というのが、圭さんの方は当時、
鰥夫暮しで、二人のよく睡る子供と一緒に睡っていたというし、吉公の方は一時就寝、十....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
すから、早くお貰いなすっては何うです、ねえ旦那」 幸「左様だ、失礼な云分だが、
鰥夫に何とやらで万事所帯に損があるから、好いのを見付けて持ちなさい」 長「だっ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
約が整ったということは、絶てなくして僅にあるものといって好かろう。 わたくしは
鰥夫になった抽斎の許へ、五百の訪い来た時の緊張したシチュアションを想像する。そし....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いて、言わば墳墓の壁によってすべてのものからへだてられて、ジャン・ヴァルジャンは
鰥夫《やもめ》であり、コゼットは孤児であった。そしてそういう境涯《きょうがい》の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ようなシャツを着ていた。ある日ひとりの浮わ気女工がそのそばを通って、「身ぎれいな
鰥夫《ひとりもの》だこと」と言った。頭髪はまっ白だった。
彼に連れられてきて、....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
よりも、嫁にやったほうが無難らしい」
嘉門の女房は数年の前に死んで、今は嘉門は
鰥夫であった。子供はお菊一人しかない。で、嘉門はお菊に対しては、父としての世話を....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
数であった。もっともミウレ氏によれば、後者の中《うち》おそらく九、〇〇〇は寡婦|
鰥夫《かんぷ》であった1)。周知の移住があるにもかかわらず、かく多数の結婚してい....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
ら、何にも気が付きませんでした、へえ。」 三次は家のなかを見渡した。なるほど男
鰥夫《おとこやもめ》の住居らしく散らかってはいたが、さして困っている生計《くらし....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
こちと
所嫌わずにお歩きになるのも好いでしょう。
でもいつかお年がお寄になって、
鰥夫のままで墓へ行く道を足を引き摩って
おいでになるのは、どなただっておいやでし....