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「鰯雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鰯雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
うだのう、むごかのう……」 窓の向うの空に、朝鮮牛がキリキリぶらさがっている。鰯雲《いわしぐも》がむくむくしている波止場の上に、黒く突き揚った船の起重機、その....
風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
ら私を叱《しか》った。 4 山の朱い寺の塔《とう》に灯がとぼった。島の背中から鰯雲《いわしぐも》が湧《わ》いて、私は唄《うた》をうたいながら、波止場の方へ歩い....
旅愁」より 著者:横光利一
の枝をまた引きよせた。華やかに群りよった実の重量で枝は房のように垂れ流れていた。鰯雲の尾を曳いた鮮明な空だった。石榴の隙間から見えるその空を仰向きに、実を食い破....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
聞えて来た。笊と簣の群はまた蟻のように陸へ往来をはじめた。 空には何時の間にか鰯雲が出て、それが網の目のように行当岬の方へ流れていた。その時釜礁の方に当って歓....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
……。」 二十号大に区切った窓の風景の中に、朝鮮牛がキリキリぶらさがっている。鰯雲がむくむくしている波止場の上に、ドカンと突き揚った黒い起重機! その頂点には....