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鰹
「鰹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鰹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
間《ま》から、台所の板の間《ま》へ飛び出していた。台所には襷《たすき》がけの松が
鰹節《かつおぶし》の鉋《かんな》を鳴らしている。――その側を乱暴に通りぬけながら....
「或る女」より 著者:有島武郎
匠だかする頑丈《がんじょう》な男が、大きな五つ紋の黒羽織《くろばおり》に白っぽい
鰹魚縞《かつおじま》の袴《はかま》をはいて、桟橋の板を朴《ほお》の木下駄《きげた....
「或る女」より 著者:有島武郎
開いた。倉地はまだ死んだもの同然にいぎたなく眠っていた。戸板の杉《すぎ》の赤みが
鰹節《かつおぶし》の心《しん》のように半透明にまっ赤《か》に光っているので、日が....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
きな巾着《きんちゃく》茄子を二つ三つ丸ごと焼いて、うまく皮を剥《む》いたのへ、花
鰹《はながつお》を振って醤油をかけたのさ、それが又なかなかうまいのだ、いつの間に....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
う。前座のような情実でもあって、一旦内へ入れたものなら、猫の児の始末をするにも、
鰹節はつきものだ。談を附けて、手を切らして、綺麗に捌いてやろうと思って、お前の許....
「海異記」より 著者:泉鏡花
、理右衛門が念仏を唱えたくらいな事だけんども。そら、姉さん、この五月、三日流しの
鰹船で二晩沖で泊ったっけよ。中の晩の夜中の事だね。 野だも山だも分ンねえ、ぼっ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
据えたるは、その白き方一脚なり。 僧都 真鯛大小八千枚。鰤、鮪、ともに二万｜疋。
鰹、真那
鰹、各一万本。大比目魚五千枚。鱚、魴※身魚、目張魚、藻魚、合せて七百｜籠....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
の旅客機が行方不明になってしまった事件がある。それから間もなく、四艘から成るわが
鰹船の一隊が、南洋の方に漁にでたまま消息を絶ってしまった。つい最近には、ドイツ汽....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。 「はははは、お言葉には及びません、饂飩屋さんで泊めるものは、醤油の雨宿りか、
鰹節の行者だろう。」 と呵々と一人で笑った。 「お師匠さん、一つお酌さしておく....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
に、三抱ほどなる大榎の枝が茂って、檜皮葺の屋根を、森々と暗いまで緑に包んだ、棟の
鰹木を見れば、紛うべくもない女神である。根上りの根の、譬えば黒い珊瑚碓のごとく、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ったくなく、もの柔にすらりとしたのが、小丼のもずくの傍で、海を飛出し、銀に光る、
鰹の皮づくりで、静に猪口を傾けながら、 「おや、もう帰る。」信也氏が早急に席を出....
「米」より 著者:犬田卯
を母の方へ押しやった。 「おみやげだ。何にもなくて駄目だっけ。」 母の大好物の
鰹の切身を彼は汽車を降りた町で買って来たのである。それに、別に少しばかりの東京風....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
と消えても、滴って地を汚さずという時節。夜が明けるとこの芝浜｜界隈を、朗かな声で
鰹―― 生
鰹と売って通る。鰯こい、鰯こいは、威勢の好い小児が呼ぶ。何でも商いを....
「迷信解」より 著者:井上円了
の効験なきことは大略分かるであろう。『安斎随筆』に、享保年中の辻売りの秘伝に、「
鰹に酔わざる法」と題し、その中に、「新しき魚をえらびて食うべし、また食わざるもよ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に由ると、日本の醜業婦の勢力は露人を風化して次第に日本雑貨の使用を促がし、例えば
鰹節が極めて滋味あり衛養ある食料品として露人の間に珍重されて、近年俄に
鰹節の輸出....