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鱈腹
「鱈腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鱈腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
知して近所の小料理屋へ一緒に行った。ずうずうしい彼は、ひとの振舞い酒を遠慮なしに
鱈腹飲んで、もういい心持に酔った頃に、かれを誘った旅の男は小声で云った。 「時に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も弱味があるから、どうすることもできない。結局、品川の子分のところへ預けられて、
鱈腹飲んで食って遊んでいる。さすがの海賊もこんな奴に逢ったのが因果です。そのうち....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
貰いたいことがある。君に返事ができるかね。 先刻、君は私の手料理になる栄螺を、
鱈腹喰べてくれたね。ことに君は、×××××、箸の尖端に摘みあげて、こいつは甘味と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いうので、念の入った精進料理が出た。酒も出た。住職は一杯も飲まなかったが、二人は
鱈腹に飲んで食った。帰る時に住職は、「御駕籠でも申し付けるのでござるが……」と云....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
ルであたためて食べたがこれがとてもうまかった。いろんな物をコッヘルであたためては
鱈腹たべたので、持ってきたものを全部着た上、足は靴をはいたままルックザックの中に....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
。 飯を食っていると、監督が入ってきた。 「いけホイドしてに出来ない日に、飯ば
鱈腹食われてたまるもんか」 ジロジロ棚の上下を見ながら、左肩だけを前の方へ揺っ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ッははは。軍師が違うわ。うしろ楯におつき遊ばす軍師がお違い申すわ。夜食に芋粥でも
鱈腹すすって、せいぜい寝言でも吐かッしゃい」 すういと消えていった主水之介のそ....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
に這入って名刺を注文して前金を払った。その次には安洋食店に這入って酒を飲みながら
鱈腹詰め込んだ。その払い残り五円で花束を買って、往来の靴｜繕いを見付けて靴を磨か....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
江戸ッ児の向上心を吾から引っ込み思案にしてしまう人の多いことで、吾儕は寧ろ柏餅も
鱈腹喰うべし、※もウンと頬張った上で、菖蒲酒の酔いもまわらば、菖蒲太刀とりどりに....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
城将に殺されベヴィスまた城将を殺し、その妻が持ち出す膳をその妻に毒味せしめて後｜
鱈腹《たらふく》吃《く》うて去ったという。十二世紀にスペインのユダヤ人アルフォン....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
り郡人仏事をなすごとにこの僧が来れば冥助を得るとしたと。 坊主が自分の好く物を
鱈腹《たらふく》頬張って得脱させやったと称えた例は、本邦またこれある。『宇治拾遺....
「獄中記」より 著者:大杉栄
集めた主義の知識をほとんどまったく投げ棄てて、自分の頭の最初からの改造を企てた。
鱈腹食う夢を見て下痢をする 一方に学究心が盛んになるとともに、僕は僕の食欲の昂....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
ってゆけないらしく、時々、酒場の多い街裏を流して歩いてゆくのであろう。 「明日は
鱈腹《たらふく》飯を食って、お母さんとこへ帰ってきゃいいよ。なア、おい、中野の駅....
「茶粥の記」より 著者:矢田津世子
ものがあった。カツレツにして食べると結構牛肉の中どころの味が出るという。値が安く
鱈腹食べられるというので、なかなかの人気だった。良人の味覚談義がはじまるのはこん....