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鳥声
「鳥声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳥声の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
火静まつて後を見れば、寂寥として一物無く、家屋広園悉く潰え、白骨塁々雑草離々人語
鳥声聞ゆるもの無し。而て白骨は彼の家人、即ち妾婢幼児なりき。 彼唖然として心茫....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
りで、折々花が揺れて、さらさらと靡くのは、下を流るる水の瀬が絡まるのであろう、一
鳥声せず。 理学士は、それともなく石滝の奥ではないかと、ふと心着いて恍惚となる....
「源氏物語」より 著者:紫式部
な》れ切ったものですよ」 と僧都は答えた。 夜明けの空は十二分に霞んで、山の
鳥声がどこで啼《な》くとなしに多く聞こえてきた。都人《みやこびと》には名のわかり....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
なつかしく感ぜしめる。既に出した、大伴坂上郎女の歌に、「よの常に聞くは苦しき喚子
鳥声なつかしき時にはなりぬ」(巻八・一四四七)と稍似て居るが、家持の方が単純で素....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
津田君はかつて桃山に閑居していた事がある。そこで久しく人間から遠ざかって朝暮ただ
鳥声に親しんでいた頃、音楽というものはこの鳥の声のようなものから出発すべきもので....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
乾《かわ》かず一千言 時鳥《ほととぎす》の句は芭蕉に多かれど、雄壮なるは 時
鳥声|横《よこた》ふや水の上 芭蕉 の一句あるのみ。蕪村の句のうちには 時鳥....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
つ》の道たりや。余は余《あま》りに数理的なる西洋音楽の根本的性質と、落花落葉虫語
鳥声等の単純|可憐《かれん》なる日本的自然の音楽とに対して、先《ま》づその懸隔の....