鳥打ち[語句情報] » 鳥打ち

「鳥打ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳥打ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
すれば、その新文化の骨子たるべき新智識と新思想は、東京の学生が挙《こぞ》って冠る鳥打ち帽の下に養成されている筈である。その新智識と新思想は角帽や金釦を馬鹿にする....
忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
に突ったッた男は年ごろ三十にはまだ二ツ三ツ足らざるべく、洋服、脚絆、草鞋の旅装で鳥打ち帽をかぶり、右の手に蝙蝠傘を携え、左に小さな革包を持ってそれをわきに抱いて....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
の罐詰を中積船に移してしまった晩、船で活動写真を映すことになった。 平べったい鳥打ちを少し横めにかぶり、蝶ネクタイをして、太いズボンをはいた、若い同じような恰....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
にもかぶとを脱いだ心のゆるみを出しているのにハッとした。彼は油っぽい形のくずれた鳥打ちを無雑作にかぶった。 工場の前の狭い通りを、その幅を一杯にみたして、職工....
田舎教師」より 著者:田山花袋
そうに食った。「どうも、これも長々ありがとう」と言って、二月ほど前から借りていた鳥打ち帽を取って返した。 「まだいいよ、君」 「でも、今日夏帽子を買うから」 「....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
にしたがって、自発的に帽子の種類をちゃんと択んでいるから感心だ。またそのソフトや鳥打ちの凹まし方や冠り方等も、皆それぞれの注意が職業や趣味によって工夫されている....
郊外」より 著者:国木田独歩
ともれて来たのを見て、彼は悠然立って着衣の前を丁寧に合わして、床に放棄ってあった鳥打ち帽を取るや、すたこらと梯子段を下りた。 生垣を回ると突然に出っくわしたの....
鹿狩り」より 著者:国木田独歩
ばかり経った。その間僕は毎日のように今井の叔父さんの家に遊びに行って、叔父さんの鳥打ちにはきっとお伴をした。ある日僕のおとっさんが外から帰って来て、『今井の鉄也....
歯車」より 著者:芥川竜之介
った。すると自転車に乗った男が一人まっすぐに向うから近づき出した。彼は焦茶いろの鳥打ち帽をかぶり、妙にじっと目を据えたまま、ハンドルの上へ身をかがめていた。僕は....
一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
には赤い紙に白く、「世直し忘年会、有楽座において」とした広告ビラが張ってあった。鳥打ち帽に縞《しま》の着物の、商人の手代《てだい》らしい人も人待ち顔に立っていた....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
の五日、めいめいこしに短銃をさげ、ゴルドン、ドノバン、イルコックの三人は、さらに鳥打ち銃をかたにかけた。一同は火薬を倹約するために、山田先生の遺物たる飛び弾を、....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
すばらしい羽毛をつけている。連雀は、翼の先が赤く、尾羽の先は黄色く、羽毛は小さな鳥打ち帽のようだ。それから、かけす。やかましいしゃれものだ。派手な空色の上衣を着....
塵埃は語る」より 著者:小酒井不木
のはどんな男でしたか」 「子供たちの言うことですから、よく分かりませんが、何でも鳥打ち帽をかぶって洋服を着た相当の年輩の男だったそうです」 「この手紙を放り込ん....
頭蓋骨の秘密」より 著者:小酒井不木
俊夫君は、 「やっ、来た!」 と言って隅の方を指さしました。そこには紺絣を着て鳥打ち帽をかぶった十二三の小僧が、一生懸命肉付けの首を見つめていましたが、私はそ....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
斜になっていて両側の松林では淡日がさして小鳥などよく啼いています。私は杖を曳いて鳥打ちをかぶってそこを往復します。私はまったくひとりの自分を嬉しみ静かな確実な生....