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鳥籠
「鳥籠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳥籠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
る。
男は葉巻に火をつけたまま、槐《えんじゅ》の枝に吊《つ》り下げた、支那風の
鳥籠を眺めている。鳥は文鳥《ぶんちょう》か何からしい。これも明暗の斑点《はんてん....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
にあるのと殆《ほとん》ど変りは見えなかった。が、この部屋の天井の隅には針金細工の
鳥籠《とりかご》が一つ、硝子窓《がらすまど》の側にぶら下げてあった。その又籠の中....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
農業の片手間に飼い鶏や家鴨などを売り歩いていた。大きい笊に麻縄の網を張ったような
鳥籠を天秤棒に担いで、矢口の村から余り遠くない池上、大森、品川のあたりを廻ってい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しょう」 「まったくですよ。黐をぬらしてしまうのでね」と、鳥さしは腰につけていた
鳥籠を見返りながら云った。 「おまえさんは千駄木ですか、それとも雑司ヶ谷ですかえ....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
じゃ不可い、そっとそっと。」これが鶯か、かなりやだと、伝統的にも世間体にも、それ
鳥籠をと、内にはないから買いに出る処だけれど、対手が、のりを舐める代もので、お安....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
が、かの女はむす子の慰めになるかも知れないと、上海の船つきで買い入れたカナリヤの
鳥籠をもむす子に残していった。むす子はそのカナリヤの餌を貰うのに寄宿の家のものに....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
真面目な顔に戻り、警部を彼方へ誘って、部屋の中をゆっくり歩きだした。 青い
鳥籠 帆村は右手を肩の高さにあげて歩いている。帆村のすぐ後に、ぴったり寄り添っ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
に南の方へ向って、糸の切れた紙鳶のように飛んで行った。 シイカは蓋を開けられた
鳥籠を見た。彼女の春がそこから逃げて行ってしまったのを感じた。彼女は青葉を固く噛....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
方を見詰めたるまま、黙然として物思えり。渠が書斎の椽前には、一個|数寄を尽したる
鳥籠を懸けたる中に、一羽の純白なる鸚鵡あり、餌を啄むにも飽きたりけむ、もの淋しげ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
「お待たせしました。」 「いや、僕も今来たばかり……」と、右手に持った金属性の
鳥籠を、どこへ置こうかと、部屋を見廻していた。 「まあ。カナリヤですの……可愛い....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
。お父さんはどうしたと重ねて問えば、お冬さんは微かな声で、奥に寝ていますという。
鳥籠はどうしたときけば、鳥はみんな放してやりましたという。なにか子細がありそうな....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
女であった。加之も高い所から再三転げ落ちて、剣の如き岩石に撃れ劈かれたので、古い
鳥籠を毀したように、身体中の骨は滅裂になっていた。 更に人を駭かしたのは、彼の....
「四つの都」より 著者:織田作之助
の顔見るときっと雨やさかいな」 葉子「えらい人に会わはってんなア」 夜店出し(小
鳥籠が店の軒につるしてあるのを見て)「どないや、鳴いたか?」 葉子「鳴けへんわ。....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
土産に生捕って下さい!」 と声を枯らして叫んだ。その男の足許には風呂敷に包んだ
鳥籠があった、その中には鳩や雀がぎっしりと目白押しに並んでいる。 見物の中から....
「鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
。ところが今日五時頃外出から帰ってみると、大きな包みが届いている。それが君、例の
鳥籠なんよ。中にはお定まりの伝書鳩が一羽入っていて、その脚に手紙と小さな袋が結え....