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鳥羽絵
「鳥羽絵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳥羽絵の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》れむべし、大兵の男は板の間も砕くる響きを立ててそこに尻餅《しりもち》をついて、
鳥羽絵《とばえ》にあるような恰好《かっこう》をして見せたので、並み居る連中は吹き....
「春昼」より 著者:泉鏡花
た。 何んとも言えない、美しさでした。 いや、こういうことをお話します、私は
鳥羽絵に肖ているかも知れない。 さあ、御飯を頂いて、柄相応に、月夜の南瓜畑でも....
「自画像」より 著者:寺田寅彦
的な人相書きによったほうがかえって安全かもしれない。あるいはむしろ漫画家のかいた
鳥羽絵がいちばん有効かもしれない。上手なカリカチュアは実物よりも以上に実物の全体....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
でも写しますかね」 「あれより、もう一層、軽いところがいいですね」 「では近代の
鳥羽絵」 「ああなっても少しふざけ過ぎます、まあ、夜半亭と大雅堂の合《あい》の子....
「細木香以」より 著者:森鴎外
ったが、その帰途には兼吉を先に還らせて、自分は劇場妓楼に立ち寄った。兼吉は綽号を
鳥羽絵小僧と云った。想うに鳥羽屋の小僧で、容貌が奇怪であったからの名であろう。即....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
座いかな」と踊るような身ぶりをして売って歩いたが、馬喰町の夜店が寂れると同時に、
鳥羽絵の升落しの風をして、大きな拵らえ物の鼠を持って、好く往来で芸をして銭を貰っ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
いながら、 「そうやって、尻を持ちあげて檐下をのぞいている様子なんざ、ちょっと、
鳥羽絵《とばえ》にもない図だぜ。……ついでのことに股倉眼鏡《またぐらめがね》でも....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
守人はあきらめた。 泥濘《ぬかるみ》をとび越えて走って行く御免安兵衛の姿は、
鳥羽絵《とばえ》の奴《やっこ》のような恰好に、両側の家をもれる灯のなかにおどった....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
を知る事は出来なかったが、ほぼその画風を窺う事は出来た。 椿岳の画は大津絵でも
鳥羽絵でもない、蕪村でも大雅でもない。尺寸の小幀でも椿岳一個の生命を宿している。....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
倣ひて最も痛快|辛辣《しんらつ》に諷刺せられき。百鬼夜行《ひゃっきやこう》の図と
鳥羽絵《とばえ》の動物漫画とは、さまざまなる寓意《ぐうい》の下に描直《かきなお》....