鳥辺山[語句情報] »
鳥辺山
「鳥辺山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳥辺山の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「兄たち」より 著者:太宰治
た。ふたり共、それをちゃんと意識していて、お酒に酔ったとき、掛合いで左団次松蔦の
鳥辺山《とりべやま》心中や皿屋敷などの声色を、はじめることさえ、たまにはありまし....
「身投げ救助業」より 著者:菊池寛
むろん鴨川では死ねない。深いところでも三尺ぐらいしかない。だからおしゅん伝兵衛は
鳥辺山《とりべやま》で死んでいる。たいていは縊《くび》れて死ぬ。汽車に轢かれるな....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
二日開場の口上看板がもう揚がっている。二部興行で、昼の部は忠信の道行、躄の仇討、
鳥辺山心中、夜の部は信長記、浪華の春雨、双面という番組も大きく貼り出してある。 ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
聞を見たら、今夜本郷中央会堂で呂昇の堀川がある。蓄音器では、耳にタコの出来る程|
鳥辺山も聞いて居る。生の声で呂昇の堀川は未だ聞かぬ。咽喉が悪いとて療治をして居る....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
。
円山公園の噴水のそばを二人はまるで恋人のようによりそって歩いた。
「秋の
鳥辺山《とりべやま》はよかったわね。落葉がしていて、ほら二人でおしゅん伝兵衛の墓....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
の噴水にもあいてしまった。 二人はまるで恋人のようによりそって歩いた。 「秋の
鳥辺山はよかったわね。落葉がしていて、ほら二人でおしゅん伝兵衛の墓にお参りした事....
「日記」より 著者:宮本百合子
て、いいか悪いか分らない。 どんどろ大師はお弓の技巧を見ると云う気だけがした。
鳥辺山心中も要するに浅い。あれで心中出来るものではない。が若しかすると、昔の人は....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
口上看板がもう揚がっている。二部興行で、昼の部は『忠信の道行』、『躄の仇討』、『
鳥辺山心中』、夜の部は『信長記』、『浪花の春雨』、『双面』という番組も大きく貼り....
「申訳」より 著者:永井荷風
さん」と云うのは田舎言葉から転化して今は一般の通用語となったものである。薗八節の
鳥辺山に「ととさんやかかさんのあるはお前も同じこと」という詞がある。されば「とう....
「六日月」より 著者:岩本素白
である。こんなことを考えて、まだ宵の口なのを人通りの少い町を歩きながら、薗八の「
鳥辺山」、その場所も此処からはさして遠くはない、その曲の「九つ心も恋路の闇にくれ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いと、さらに、からかい半分に取次へいってやると、 (死骸の儀なれば、万一の場合は
鳥辺山へお捨て下さろうとも、加茂川へ芥と共にお流し下さろうとも、決して、おうらみ....