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「鳥追い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳥追いの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
やるが――な、ご新造さん、あなたは今のその眠白のお囲い者になるまえに、江戸節か、鳥追い節を流して江戸の町を歌い歩いたおかたじゃなかったのかい」 「ま! 恐れ入っ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
おくと、まことに右門流でした。 「ちと変なお願いでござんすが、お由さん、大急ぎで鳥追い姿にやつしてくれませんか」 「…………?」 「ご不審はあとでわかりますから....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ウ! 死んだと思ったお藤さんとは、ヘヘヘ、丹下の旦那でも気がつくめえッてネ」 三鳥追い姿のような、旅を流しの三味線ひき――。 笠の紅緒が、白い頬にくっきり喰い....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
明も何もない。只、汚ないぼろぼろの長い板塀にかこまれている。昨夜一晩で書きあげた鳥追い女と云う原稿が金に替るとは思われなくなってくる。浪六《なみろく》さんのよう....
丹下左膳」より 著者:林不忘
えるかもしれないね」 としんみり……。 三 「まあ、かわいい女の子だこと!鳥追いじゃあなし、なんでしょうね」 「虫踊《むしおど》りなんですよ。虫踊りのお藤....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
から積み重ねつつ、美と文化との何たるかを私たちは知って来るのである。 正月には鳥追いが来、在方の農家の娘たちは催馬楽という輪舞いのようなものをおどって来た。鄙....
魔像」より 著者:林不忘
だ。 押しつけるような閑静《のどか》のなかを、直ぐ前の御成《おなり》街道をゆく鳥追いの唄三味線が、この、まさに降らんとする血の雨も知らず、正月《はる》を得顔《....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
くじ》かれた心持ちで、に組の頭常吉の言葉に先刻から耳を傾けている。 家路を急ぐ鳥追いの破れ三味線、早い夕餉《ゆうげ》の支度でもあろうか、くさや焼く香がどこから....
間人考」より 著者:喜田貞吉
人なる細工の者が、農家に雇われて稲作を害する鳥を駆逐するの職に従事したところから鳥追いと呼ばれ、その鳥追いが門附けの旅芸人となって依然鳥追いの称を以て呼ばれた。....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
縁によって、水は苗をひたひたと浸し成長の果を生じさせます。 夏の田草取り。秋の鳥追い。雀が饑餓という因により、羽翼の羽ばたきという縁によって稲田のところへ飛ん....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
城下から、山支度と狩装束できたのはいいが、日置流自慢の竹屋卿の弓も、二、三日の小鳥追いに、あまり大した獲物がなかったので、すぐに飽きてしまった。 飽きたら先に....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
鷺も烏も苗代を荒らすによって、農民はこれを憎んでいる。正月松の内のめでたい朝も、鳥追いと称して野らに出て大声にわめき、あたま切って尻尾切って、塩に漬けて俵につめ....
こども風土記」より 著者:柳田国男
そういう中でも※鼠駆除のなまこ引き以上に、もっと子どもが大悦びで引きうけた役目は鳥追いで、その日の面白さは、白髪になるまで忘れずにいる者が多いのである。その理由....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
に由ってあるいはこの式をヘビムカジという土地もある。 広く保存せられているのは鳥追いと土鼠打ちで、これも正月の鳥獣の少ない時に予行するために、次第に遊戯化して....