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「鳥黐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳥黐の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
いのちの初夜」より 著者:北条民雄
まつわりついて来る生命を感じるのであった。逃れようとしても逃れられない、それは、鳥黐《とりもち》のようなねばり強さであった。 便所から帰って来た佐柄木は、男を....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
例の基本財産作るとて大部分の冬青《もちのき》林を伐り尽させ、神池にその木を浸して鳥黐《とりもち》を作らしむ。基本金はどうか知らず、神威すなわち無形の基本財産が損....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。かれは手甲脚絆の身軽な扮装で、長い竹の継竿を持っていたが、その竿にたくさんの鳥黐が付いているのを見て、それが鳥さしであることを半七はすぐに覚った。彼は時々こ....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
ただ母性のみが持ってる大きな抱擁力だった。子供をも大人をも本能的に抱き込む、鳥黐《とりもち》のような粘り気のある力だった。彼はほっと息をついた。 然し間も....
古木」より 著者:豊島与志雄
ちるのを、蝙蝠は追かけてきました。それを幹夫は狙いました。釣竿のような竹の先に、鳥黐をぬりつけたのを、力一杯うち振って蝙蝠を捕えようとしました。だが蝙蝠は、ひら....
魔都」より 著者:久生十蘭
、沈着な口調で、 「古市君、妙なところにいるナ」 と声をかけた。 十六、鳥黐に手をつく事 並に真名古の宣言の事 一方にこんな騒ぎが始まって....
南北」より 著者:横光利一
にきりがないでな。姉やんとこ今晩ひと晩、安次を置いといてやっとくれ。」 「そんな鳥黐桶へ足突っこむようなこと、わしらかなわんわ。」とお霜は云った。 「ひと晩でえ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
杵でこねるのである。モチの米という名はすでに『和名鈔』にも見え、モチという言葉は鳥黐も同じに、粘ることを意味したようだが、それだからとて今と同じ餅が、古くからあ....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
と同様の職人のことでありました。後世ではもっぱら雀をもって鷹の餌となし、その雀を鳥黐で差して取りますから、それで餌差ということになったのですが、昔は鷹の餌は普通....