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鳩尾
「鳩尾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳩尾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
何者の仕業《しわざ》だか、いや、それは、実に残酷に害《や》られたというね。亭主は
鳩尾《みぞおち》のところを突き洞《とお》される、女房は頭部《あたま》に三箇所、肩....
「食魔」より 著者:岡本かの子
して、またもとのチャブ台へ首を振り向けた。懐手をして掌を宛てている胃拡張の胃が、
鳩尾のあたりでぐうぐうと鳴った。 「うちの奴等、何を食ってやがったんだろう」 ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
身は綿よりも柔かです。 侍女七 蓮の糸を束ねましたようですから、鰐の牙が、脊筋と
鳩尾へ噛合いましても、薄紙|一重透きます内は、血にも肉にも障りません。 侍女三 ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
と、それなり力が抜けて、膝を支いたので、乳母が慌て確乎抱くと、直に天鵝絨の括枕に
鳩尾を圧えて、その上へ胸を伏せたですよ。 産んで下すった礼を言うのに、唯御機嫌....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
のふっくりした白いものは、南無三宝仰向けに倒れた女の胸、膨らむ乳房の真中あたり、
鳩尾を、土足で蹈んでいようでないか。 仁右衛門ぶるぶるとなり、据眼に熟と見た、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
っしゃりませ、田舎でも、これでも、長年年期を入れました杉山流のものでござります。
鳩尾に鍼をお打たせになりましても、決して間違いのあるようなものではござりませぬ。....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、と申しますと、端然と居坐を直して、そのふっくりした乳房へ響くまで、身に染みて、
鳩尾へはっと呼吸を引いて、 ――まあ、嬉しい―― とちゃんと取って、蝋燭を頂....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
寛げようと、あの人の胸を開けたかと思うと、キャッと云って尻持をついたはどうです。
鳩尾を緊めた白羽二重の腹巻の中へ、生々とした、長いのが一|尾、蛇ですよ。畝々と巻....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
価をぞ払いしなる。手品師は詮ずるに半ば死したる小六の身のそのうつくしく艶かなりし
鳩尾一斤の肉を買いしなり。諸人の、諸人の眼の犠牲に供えむとて。 売られし小六は....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
垂々と冷い汗。 さてもその夜は暑かりしや、夢の恐怖に悶えしや、紅裏の絹の掻巻、
鳩尾を辷り退いて、寝衣の衣紋崩れたる、雪の膚に蚊帳の色、残燈の灯に青く染まって、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
がら、 「そこでその、白い乳房でも露したでござるか。」 「いいえ。」 「いずれ、
鳩尾に鱗が三枚……」 黙って三造は頭を掉る。 「全体|蛇体でござるかな。」 「....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
寄りかかりながら、ぜいぜい肩で息をしていた。兄の岩太郎は、顔や胸を泥に穢したまま
鳩尾をフイゴのように脹らしたり凹めたりしながら、係長がはいって行くから睨みつづけ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
うな、見た処の一枝の花を、いざ船に載せて見て、咽喉を突かれてでも、居はしまいか、
鳩尾に斬ったあとでもあるまいか、ふと愛惜の念|盛に、望の糸に縋りついたから、危ぶ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
) (七箇!) と私は驚いた。 (お頭へ一箇、一箇枕におさせ申して、胸へ二箇、
鳩尾へ一箇、両足の下へ二箇です。) こういいいい体温器を入れられた時は、私は思....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ん、そうして、お灸は、どこへ。」 「魂は、胸三寸というわいの。」 「ええ。」 「
鳩尾や、乳の間や。」 「……恥しい。」 「年でもあるまい。二十越した娘を育てたも....