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鳩羽色
「鳩羽色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳩羽色の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古き小画」より 著者:宮本百合子
路から高地の陣へ戻った。彼は脱いだ甲冑を一まとめにして左手に提げていた。行手の、
鳩羽色に暮れかかった樹林の上に、新しい宵の明星が瞬き出した。人馬の騒音は八方に満....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
やがて、日がだんだん山に近くなって、天地が橙《だいだい》色に霞み山々の緑が薄い
鳩羽色で包まれかけると、六は落日に体中照り出されながら、来たとは反対の側から山を....
「粗末な花束」より 著者:宮本百合子
いるのは面白かった。私はライオンの傍の電柱の下で、永い間群集を見た。四辺が次第に
鳩羽色となり、街燈がキラキラ新しい金色で瞬き出すと、どんな人の顔にも、何か他の時....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
点になって居るのでございます。 毎晩九時過ぎると、まだ夜と昼との影を投じ合った
鳩羽色の湖面を滑って、或時は有頂天な、或時は優婉な舞踏曲が、漣の畳句《リフレーヌ....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
ていました。まもなく、ベスとエミイが目をさまし、枕の下に本を見つけました。一冊は
鳩羽色、一冊は空色の表紙でした。みんなは起きなおり、本をながめて話し合いましたが....
「妻」より 著者:神西清
コロンの匂いでもしようものなら、それこそおかしいに違いない。もう久しく剃ってない
鳩羽色の、まず牛蒡といった感じの二重顎にも、飛びだした眼にも、息ぎれの様子にも、....