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鳩胸
「鳩胸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳩胸の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小祝の一家」より 著者:宮本百合子
、仕立物の風呂敷を抱えて立ち上ると、片手を祖母ちゃんの、時には乙女の腺病質らしい
鳩胸の前へさしつけ、 「おかず買ってかえるから二十銭おくれ」 お石は睫一つ動か....
「道標」より 著者:宮本百合子
ルを手にとった。ウィーン名物の薄肉浮彫の金色の面に、こころもち猫背で、というより
鳩胸のような肩つきで、円い形のかつらをつけたモツァルトの横顔が浮き出ている。
....
「東京ロマンティック恋愛記」より 著者:吉行エイスケ
き惚れていた。 イタリアンとの混血児の上海からこの土地に稼ぎにやってきた踊子の
鳩胸、その偉大な女性の耕作地にこだまするサキソフォンの反響、かの女は、いつも踊場....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
くて愛嬌がある。手織縞のごつごつした布子に、よれよれの半襟で、唐縮緬の帯を不状に
鳩胸に高くしめて、髪はつい通りの束髪に結っている。 これを更めて見て客は気がつ....
「見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
あった。そしてまた、仕立屋の人形のように彼等は肩のあたりに恰好のいい隆肉と胸部に
鳩胸のような凸起をもっていた。そうした特色をのぞくと、彼等は、停車場にある人間大....
「退歩主義者」より 著者:坂口安吾
あった。 彼の花嫁は猪八戒に似た面白い顔立であった。カラダも小肥りで、ちょッと
鳩胸でデッ尻で、顔立を裏切らないところに良さがある。然し意外なところに難所があっ....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
し》の貧乏神といった体《てい》。 伝兵衛のほうは、綽名《あだな》の通り出ッ尻で
鳩胸。草相撲《くさずもう》の前頭とでもいった色白のいい恰幅《かっぷく》。何から何....