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「鳴出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳴出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
の問には、岸本も詰ってしまった。屋外《そと》の方では遽《にわか》に蛙《かわず》の鳴出す声が聞えた。岸本は子供等の顔を眺めながら、旅の空では殆《ほと》んど聞かれな....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
中でも音頭取が、電柱の頂辺に一羽|留って、チイと鳴く。これを合図に、一斉にチイと鳴出す。――塀と枇杷の樹の間に当って。で御飯をくれろと、催促をするのである。 ....
」より 著者:島崎藤村
もするネ」 こんな言葉を夫婦は交換した。 ヒョイヒョイヒョイヒョイと夕方から鳴出す蛙の声は余計に旅情をそそるように聞える。それを聞くと、三吉は堪え難いような....
朝飯」より 著者:島崎藤村
とか、そんな仕事に追われて、月日を送るという境涯でも、あの蛙が旅情をそそるように鳴出す頃になると、妙に寂しい思想を起す。旅だ――五月が自分に教えるのである。 ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
くなったが、水田へ蹈込んで渡るのを畔から聞く位の響き。 と卓子の上で、ざざっと鳴出す。窓から、どんどと流込む。――さてもさても夥多しい水らしいが、滝の勢もなく....