鳴海絞[語句情報] » 鳴海絞

「鳴海絞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳴海絞の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
》はもう名物の絞りを売っている店は一二軒しかない。並んでいる邸宅風の家々はむかし鳴海絞りを売って儲けた家だと俥夫《しゃふ》が言った。池鯉鮒よりで気の付いたことに....
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
君は留守だ。ちっと僕の処へも遊びに来給え」 こう云って長屋隣の内へ帰って行く。鳴海絞《なるみしぼり》の浴衣《ゆかた》の背後《うしろ》には、背中一ぱいある、派手....
二百十日」より 著者:夏目漱石
折れる気遣《きづかい》はまずあるまい。その自然木の彎曲《わんきょく》した一端に、鳴海絞《なるみしぼ》りの兵児帯《へこおび》が、薩摩《さつま》の強弓《ごうきゅう》....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
なかった。 東京は物価《もの》が高いと云いながら、東京と京都の区別を知らない。鳴海絞《なるみしぼり》の兵児帯《へこおび》を締めて芋粥《いもがい》に寒さを凌《し....
坑夫」より 著者:夏目漱石
していると、突然、 「おい」 と呼んだものがある。自分はこの時ちょうど下を向いて鳴海絞《なるみしぼり》の兵児帯《へこおび》を締め直していたが、この声を聞くや否や....
」より 著者:島崎藤村
お絹を始め、お雪が末の妹のお幾も集って来た。娘達の中には、縁先に来て、涼しそうな鳴海絞を着た種夫や新吉に、金魚を見せているものも有った。 「お雪、皆なで写真を撮....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
り次第に御免を蒙《こうむ》って……」 金助はあたりを見廻すと、衣桁《いこう》に鳴海絞《なるみしぼり》の浴衣があったから、それを取って引っかけて、なおも煙草をふ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
みしも》を着た美しい女の口上つかいが鯨の背に乗って口上をのべる。それがおわると、鳴海絞《なるみしぼ》りの着物に、表黒白裏の鯨帯をしめた女の踊子が十人ばかり出て来....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
前に大きな犬のようなものが寝ている。……何だろうと思って、そっと近寄って見ると、鳴海絞《なるみしぼ》りの黒っぽい浴衣を着た里春が、片袖を顔へひき当てるようにして....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
のを想わせます。こういう品より世間にもっとよく知られているのは絞染であります。「鳴海絞」とか「有松絞」とか呼ばれ、いずれもその土地で出来ます。絞染はもと支那から....