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鳴物
「鳴物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鳴物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
ま》し、与六が帰って、大名の不興《ふきょう》を蒙《こうむ》る所で完《おわ》った。
鳴物は、三味線のない芝居の囃《はや》しと能の囃しとを、一つにしたようなものである....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
いう子だけでさあね」 林之助はだまって突っ立っていた。観世物小屋のそうぞうしい
鳴物の音も、彼の耳へは響かなかった。豊吉はまたささやいた。 「それから、旦那。ま....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
には徳川|家慶《いえよし》が薨去《こうきょ》したので、七月二十二日から五十日間の
鳴物《なりもの》停止《ちょうじ》を命ぜられた。
鳴物停止は歌舞音曲のたぐいを禁ずる....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
よきところに銀杏の立木、すべて浅草公園仲見世の体《てい》よろしく、六区の観世物の
鳴物にて幕あく。――と、上手《かみて》より一人の老人、惣菜《そうざい》の岡田から....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 秋の宵であった。どこかで題目太鼓の音がきこえる。この場合、月並の
鳴物だとは思いながらも、じっと耳をすまして聴いていると、やはり一種のさびしさを誘....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
ァイオリンを見つけて、ああこれは何とかさんにすぐあげておしまい、後家さんにはもう
鳴物などいっさい要らないんだから、と言うんですもの。私、髪なんか切ることは何とも....
「食魔」より 著者:岡本かの子
なたは、そうおとりになりますの、私たちは、あの狂言のでんがんでんがんという単調な
鳴物を地獄の音楽でも聞きに行くように思って参りますのよ」というと、良人の画家も、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
とき、クラッカーを引き合って破裂させる音は、大広間一面を占領し、中から出た玩具の
鳴物を鳴らす音、色テープを投げあうわめき、そしてそこでも、ここでも、※々として紙....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
草萌の川通りを陽炎に縺れて来て、長崎橋を入江町に掛る頃から、どこともなく、遠くで
鳴物の音が聞えはじめた。 松崎は、橋の上に、欄干に凭れて、しばらく彳んで聞入っ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
別に、声を振立て、手足を揉上げ、躍りかかって、大砲の音で色花火を撒散らすがごとき
鳴物まじりに人を呼ぶのに。 この看板の前にのみ、洋服が一人、羽織袴が一人、真中....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ぱお莨盆に飴を売って、爺やあっち、婆やこっち、おんじゃらこっちりこ、ぱあぱあと、
鳴物入で鮹とおかめの小人形を踊らせた、おん爺があったとか。同じ格だが、中には凄い....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ゃん、あの何ですッて。あなたのね、母様がおなくなり遊ばしたのを、御近所に居ながら
鳴物もいかがな訳だって、お嬢様が御遠慮を遊ばすんでございますよ。」 その隣家に....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
――ラ――とこんな調子にやったならば。」 彼等はげらげら笑った。市会議員の舌の
鳴物入りの忠言なんかはこの道で苦労している彼等には真面目に対手になってはいられな....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
の秋の日ももう午に近づいて、広小路の青物市の呼び声がやがて見世物やおででこ芝居の
鳴物に変ろうとする頃で、昼ながらどことなく冷たいような秋風が番小屋の軒の柳を軽く....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
平記』を殆んどそのままに脚色したもので、やはり従来のチョボの浄瑠璃を用い、合方や
鳴物を用い、台詞も主に七五調を用い、その形式は従来のものと変わらないのであるが、....