鳴門[語句情報] » 鳴門

「鳴門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鳴門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
るものなり。 昭和十×年五月十三日 聯合艦隊司令長官 海軍大将男爵 大鳴門正彦 (とうとう、清二は殺られたか!) 「旦那」郵吉が、おずおずと声を出した....
三人の双生児」より 著者:海野十三
なに、あの女は真公に惚れてやがったが、真公が居なくなると気が変になってしまって、鳴門の渦の中へ飛びこんでしまったよ」 「まあ、誰か飛びこむところを見たんですの」....
火葬国風景」より 著者:海野十三
、やがてクルクルと廻りだした。その廻転は次第次第に速力を加え、お仕舞いにはまるで鳴門の渦巻のようになり、そうなるとシャボン玉の形も失せて、ただ灰白色の鈍い光を見....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
創業記事端書 世の中をわたりくらべて今ぞ知る 阿波の鳴門は浪風ぞ無き 予は第二の故郷として徳島に住する事殆んど四十年、為に数十回鳴門....
重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
身に沁むような蟋蟀の声を聞く想いがするのである。寝床で母からよく聞かされた阿波の鳴門の十郎兵衛の娘の哀話も忘れ難いものの一つであった。 重兵衛さんのお伽噺のレ....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
おお急湍のような潮流の落つくところは、まさしく魔の海。そこは海洋の真只中の大鳴門だ。約一海里平方ぐらいの海が、大渦巻をなして、轟々と物凄いうなりをあげている....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
い よしや辛かれ身はなかなかに、人の情の憂やつらや 見る目ばかりに浪立ちさわぎ、鳴門船かや阿波で漕ぐ 月を待つ夜は雲さえ立つに、君を待つ夜は冴えかえる 君と我と....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ほど早く、規模でも、「メールストレームの渦」の百倍くらいはあろう。ましてこれは、鳴門やメールストレームのような小渦の集団ではなく、渺茫数百海里の円をえがく、たっ....
鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
れ、近年は東京湾の内外が釣り人から認められるに至った。 春になると、瀬戸内海は鳴門と音戸の瀬戸の東西両方から乗っ込んでくる。これを桜鯛と言っているが、鯛は土佐....
鯛と赤蛸」より 著者:佐藤垢石
誰か、東京湾内の鯛に、一本鈎につけた赤蛸を食いつかせて貰えまいか。 瀬戸内海の鳴門付近の職業漁師が餌に用いるのは、足長蛸という蛸の足であるらしい。なんにしても....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
るものと見え、優婉な声で投げ節が聞えて来ます。 渡りくらべて世の中見れば阿波の鳴門に波もなし―― ここの座敷では法眼の錆びて淡々たる声で唱え出されました。 ....
不在地主」より 著者:小林多喜二
この一篇を、「新農民読本」として全国津々浦々の「小作人」と「貧農」に捧げる。「荒木又右衛門」や「鳴門秘帖」でも読むような積りで、仕事の合間合間に寝ころびながら読んでほしい。 ....
妖怪学」より 著者:井上円了
その他、相撲の類にても、剣山は阿波より出でたるがゆえに、阿波第一の山名を取り、大鳴門は淡路より出でたるゆえ、鳴門に取り、西の海は西国に出でたるゆえ、かの名あるが....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
らずへ踏込んだと同じく、一つ処をドウドウ廻りするより外はなくなる。それでは阿波の鳴門の渦に巻込まれて底へ底へと沈むようなもんで、頭の疲れや苦痛に堪え切れなくなっ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いた。 「私の手は弱く、私の心は震えています」まるでシイラの巨岩とキャリプジスの鳴門の間にいるよりも、いっそう苦しいもので「私の不幸といったら、この両方に呑まれ....