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鴈
「鴈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鴈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「阿宝」より 著者:田中貢太郎
していた。富豪のうえに女がその地方きっての美人であったから、豪家の少年達は争うて
鴈の結納を持ちこんで婿になろうとしたが、どれもこれも女の父親の気にいらなかった。....
「縮図」より 著者:徳田秋声
来てから二日ほどすると、藤川から電話がかかり、行ってみると、若林はお神や女中と、
鴈治郎一座の新富座の噂をしており、人気が立っているので、三人で観に行くことになっ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
庸三と母親は、しばらくすると歌舞伎座の二階|棧敷の二つ目に納まっていた。それが
鴈治郎一座の芝居で、初めが何か新作物の時代ものに、中が
鴈治郎の十八番の大晏寺であ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
居とにおいてその温気の非常な有無を感じている。 即ち私は、浄るりと、大阪落語と
鴈治郎の芝居と雨の如くボツンボツンと鳴る地歌の三味線等において、まずよくもあれだ....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
りません。芝居は仕事の関係上、月に二つ三つはかかしませんが、男優では、仁左衛門と
鴈次郎が好きな様です。 氏は家庭にあって、私憤を露骨に洩らしたり、私情の為に怒....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
られない美しいひとかたまりであった。 大阪では博覧会見物をすますと父は大好きな
鴈治郎の芝居と、文楽の人形浄瑠璃を見せてくれた。これが私が
鴈治郎と摂津大椽とを知....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
なかったと言うより、又する機会もなかったのであろう。大変長い源之助で、丁度大阪の
鴈治郎が若い時の中村
鴈治郎から始って、死ぬまで
鴈治郎で通したのと同じである。尤、....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
も、二鶴やその他の昔なつかしい料理店が復活した。千日前の歌舞伎座の横丁――昔中村
鴈治郎が芝居への通い路にしていたとかで
鴈治郎横丁と呼ばれている路地も、以前より家....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
、ぱっと逃げ出した。 歯がカチカチと鳴った。ふるえが停らぬのだ。 そのまま、
鴈治郎横丁まで逃げて来た時、 「ちょっとお待ち!」 と、いきなり、肩を掴まれた....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
てしまうのです。何でもこの役者は、大谷|友右衛門と云う上方の千両役者、今で云えば
鴈治郎と云ったような役者の一座で、江戸に下ったのだが、初めは、江戸の水に合わなか....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、親方も、今日はどこへも出ないでいるんで、」 「いいえね。」 と女房は、煙管の
鴈首を、畳に長くうつむけたるまま、心ここにあらずでもなかったらしい。 「いくらか....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
噂――「俗説美談黄門記」――福地桜痴居士――番附の体裁――「め組の喧嘩」 新蔵と
鴈治郎 藩閥攻撃――新蔵の美女丸――新富座の悲運――上野の彰義隊――
鴈治郎の十次....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
は、果たしていうところの美と天味を知っていたかどうか。画でいえば精々|栖鳳とか、
鴈治郎程度の技巧的名人肌ではなかったか。西洋人の世界一は、口ぐせの場合が多いようだ。....
「挿話」より 著者:徳田秋声
ぞに交遊があったけれど、高等学校も出ているので、宗匠らしい臭味は少しもなかった。
鴈治郎の一座と、幸四郎の組合せであるその芝居は、だいぶ前から町の評判になっていた....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
村翫雀、大阪に死す、四十一歳。大阪の俳優なれど、東京にても評判好かりき。初代中村
鴈治郎の父なり。 ○四月、新富座にて「天衣紛上野初花」を上演。河竹新七がその旧作....