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鴦
「鴦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鴦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
我が歩むこゝろの御国《みくに》安くもあるかな
かゞやける道あゆみ行く二人なり鴛
鴦《をし》のちぎりもなど羨《うらや》まむ
我がをしへしのぶにいともふさはしき春....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
炭さしそへにけりをもふとち はなのまとひに春こゝちして 池鴛
鴦 (九十二歳時代) 山かけの池の水さえ浅かれと ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
処、大池があって、朱塗の船の、漣に、浮いた汀に、盛装した妙齢の派手な女が、番の鴛
鴦の宿るように目に留った。 真白な顔が、揃ってこっちを向いたと思うと。 「あら....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
つだて。それが、お前さん、火事騒ぎに散らかったんで――驚いたのは、中に交って、鴛
鴦が二羽……番かね。…… や、頂きます、ト、ト、ごぜえやさ。」 と小村さんの....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
を思立たれたという。……雛ッ子はどんなだろう。鶏や、雀と違って、ただ聞いても、鴛
鴦だの、白鷺のあかんぼには、博物にほとんど無関心な銑吉も、聞きつつ、早くまず耳を....
「死者の書」より 著者:折口信夫
いに、川千鳥の啼く日すら、続くようになった。 今朝も、深い霜朝を、何処からか、鴛
鴦の夫婦鳥が来て浮んで居ります、と童女が告げた。 五百部を越えた頃から、姫の身は....
「鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
って恋のかたきの跡を追ったのである。 鏡は青銅でつくられて、その裏には一双の鴛
鴦が彫ってあった。鑑定家の説によると、これは支那から渡来したもので、おそらく漢の....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
くしおらしいものです。おしどりは元来京風の髷で、島田に捌き橋を掛けたその捌きが鴛
鴦の尻尾に似てもおり、橋の架かった左右の二つの髷を鴛
鴦の睦まじさに見立てたわけな....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
京都市展出品「母子」帝展第十五回出品 同 十年 「天保歌妓」春虹会展出品「鴛
鴦髷」東京三越展出品「春の粧」大阪美術倶楽部記念展出品「土用干」東京三越展出品「....
「京のその頃」より 著者:上村松園
虫色の口唇をしたりしたのなど、ええものだった。 「桃割」「割れ葱」「お染髷」「鴛
鴦」「ふくら雀」「横兵庫」「はわせ」など皆若い娘さん達の髷だが、中年のお嫁さんな....
「四条通附近」より 著者:上村松園
坐っていた。 お客さんが来ると、器用な手つきで紅を茶碗に刷いてやった。お客も鴛
鴦や島田の綺麗な人が多く、小町紅というと、いつでも美しい情景がその店先に浮かぶ。....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
歌となりました。 婚儀の式場とも成るべき音楽堂からは葬式の柩が出で、つがいの鴛
鴦の浮くべき海の上には、柩をのせた小舟が浮かび、嘆きの歌を唄わんとして集った小供....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
うともなしに、横に二個、ひったりと翼を並べたように置いてある。水晶に紅をさした鴛
鴦の姿にも擬えられよう。…… 墓へ入口の、やや同じたけの松の根に、ちょっと蟠っ....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
うて来た或るやんごとなき上臈を妻として、その妻から与えられた黄金を礫として池の鴛
鴦に擲ったので始めて黄金の貴重なことを知らされ、これがそんなに貴いものなら俺の炭....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
も憚らぬ御遊歩である。 「なんだい、ありゃ。」 「叱ッ。」 「あれが君、評判の鴛
鴦夫婦でさあ。」 「袋叩きにしようという、あれですかい。」 「あっは、何でも白粉....