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鴬
「鴬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鴬の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「田舎教師」より 著者:田山花袋
らねてある。郁治は清三とつれだって行った。 美穂子は白絣を着ていた。帯は白茶と
鴬茶の腹合わせをしていた。顔は少し肥えて、頬のあたりがふっくりと肉づいた。髪は例....
「絵姿」より 著者:渡辺温
なる程感動した。そしてまたその声は、やわらかな笛の音のように、或るいは夜明け前の
鴬の唄声のように、やさしく澄んでいるのだった。 ドリアンは、生れてはじめて身も....
「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」より 著者:渡辺温
者をとることになった。車は夜更けの海辺を疾走した。 狭い横町を左へ折れて、梅に
鴬の燈りが灯っているホテルの前を過ぎると、間もなくアレキサンダー君は車を停めさせ....
「浅間山麓」より 著者:若杉鳥子
いその木霊が、また向こうの山から呼びかけてくる。七月というに、谷川の音に混じって
鴬がかしましく饒舌している。然しここでは、
鴬も雀程にも珍しく思われない。 谷あ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
人もあったが、彼女はそれをも断わって故郷の埼玉県へ帰ってしまった。声変わりのした
鴬――ゆく春と共に衰えゆく身の行く末を、雛吉はおそらく想像するに堪えなかったので....
「文学的自叙伝」より 著者:林芙美子
シゲキしてくれます。「くらく、しずけき真夜中を、園にして薔薇の色香をたたえつつ、
鴬うたう。されども薔薇は、心ある鳥の歌に答えせず。うつらうつらと夢心地、たのしき....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
それは河豚の睾丸であろうという説明を聞き、胆を冷やしたことがある。 嘴の肉を、
鴬と言う。これは場所柄だけに肉の量は少ないが甚だおいしい。腹壁の肉をトウトウミと....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いお智恵も」 「…………」 後醍醐は、お耳をすました。――そのとき南縁の鳴板(
鴬張り)に静かな跫音のキシミが聞えたからであった。 「冬信らしい」 みかどは、....