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鵜呑み
「鵜呑み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鵜呑みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
も見えれば、爺の腰がしがみついたようでもありよ。大きい鮟鱇が、腹の中へ、白張提灯
鵜呑みにしたようにもあった。 こん畜生、こん畜生と、おら、じだんだを蹈んだもん....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
食をこの娘はうんうん摂る。貝原は不思議がりもせず、小初をこういう性質もある娘だと
鵜呑みにして、どっちにも連れて行く。 月が、日本橋通りの高層建築の上へかかる時....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
併しもと/\御馳走をたべに来たわけでないから、わたしは硬いパンでも硬い肉でも一切
鵜呑みにする覚悟で、なんでも片端から頬張っていると、老人はあまり洋食を好まないら....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と云うのは、これがはたして法水の神技であるにしても、とうていそのままを真実として
鵜呑みに出来なかったほど、むしろ怖れに近い仮説だったからである。真斎は手働四輪車....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
これと追い使われ、その果ては小言|大喝。もっとも陰口|中傷は概して解かれぬままに
鵜呑みとなれど、連べ放つ攻城砲のみはいかに超然たるお豊も当たりかねて、恋しき人の....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
科学の実質的な内容は、その理論を保持する論理階梯である。 もし科学を教科書風に
鵜呑みにしない人々でさえあれば、歴史学・経済学・政治学・法律学・哲学・等々の歴史....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
そこに何等の批判も考慮もなしに、ただ外面のみを扮装した、似而非人物の似而非言論を
鵜呑みにせんとする、軽信家の態度である。われ等はかかる軽信家の群に対して、言うべ....
「科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
しても、そればかりに頼る時は自身の観察力や考察力を麻痺させる弊は免れ難い。何でも
鵜呑みにしては消化されない、歯の咀嚼能力は退化し、食ったものは栄養にならない。し....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
するのである。そうかと思うと一方で立体派や未来派のような舶来の不合理をそのままに
鵜呑みにして有難がって模倣しているような不見識な人の多い中に、このような自分の腹....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
の建設とでもいったらいいかと思っているんだ。しかし、こんな生煮えの言葉をそのまま
鵜呑みにされても困る。それよりか、これまでの学校でやって来た白鳥会の気持ちを、塾....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
なく、批評も出来ず、感想も陳べられなかったので、言われた事、話されただけを、不残
鵜呑みにして、天窓から詰込んで、胸が膨れるまでになったから、独り静に歩行きながら....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
た。したがってその建築物の年代についても、黒川・小杉の両先生から承わった再建論を
鵜呑みにして、これが反対説発表の事実をだも知らず、よしや知ったとてこれを読んでみ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
事にあらず」といったのは有名なことである。恐らく父と心を一つにした時代、父の心を
鵜呑みにしていた頃の言で、後年の二十代三十代の定家を思い比べると、この言には父の....
「持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
ッタリした栄養を求めていることなのである。家畜のように宛てがわれた食物を無条件に
鵜呑みでは、臓器栄養部では充分の能動に事欠くであろう。好むものを食って楽しみ、好....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は却ってあのように蹶起する勇気を出し得なかったかも知れぬ。それ故にモルトケ戦略の
鵜呑みが国家を救ったとも言える。しかし今日、世界列強が日本を嫉視している時代とな....