鶏が鳴く[語句情報] » 鶏が鳴く

「鶏が鳴く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鶏が鳴くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
とろとしたと思うと、さすがに田舎だ、町ながら暁を告る鶏の声がそちこちに聞える。あ鶏が鳴くわいと思ったと思うと、其のままぐっすり寝入って、眼の覚めた時は、九時を過....
夢十夜」より 著者:夏目漱石
に逢《あ》いたいと云った。大将は夜が開けて鶏《とり》が鳴くまでなら待つと云った。鶏が鳴くまでに女をここへ呼ばなければならない。鶏が鳴いても女が来なければ、自分は....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
たくのでパチパチパチ盛んに音がする。鶏もいつのまか降りて羽ばたきする。コウコウ牝鶏が鳴く。省作もいよいよ起きねばならんかなと、思ってると、 「なんだこら省作……....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ホッと息をついて、眼の前の松の金屏風《きんびょうぶ》をじっと眺めていましたが、鶏が鳴く声に驚かされて、さてと立ち上って、寝具をのべて――それは以前、机竜之助が....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
き入って、秋の夜の更けることも忘れた。 寝ぼけたような鶏の声がした。 「ホウ、鶏が鳴くげな。鶏も眠られないと見えるわい」 とおげんは言って見たが、ふと気がつ....
雪の上の足跡」より 著者:堀辰雄
い給いし御言《みことば》を憶《おも》いだし、外に出でて甚《いた》く泣けり。」――鶏が鳴くと、遠くからイエスが焚火《たきび》にあたっているペテロの方をふりむいて見....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
山の夕暮にひとりか君が山路越ゆらむ」(巻十二・三一九三)、「息の緒に吾が思ふ君は鶏が鳴く東の坂を今日か越ゆらむ」(同・三一九四)等、結句の同じものがあるのは注意....
」より 著者:森鴎外
別当に、「鳥を寝かすようにして遣れ」と云って居間に這入った。 翌日からは夜明に鶏が鳴く。石田は愉快だと思った。ところが午後引けて帰って見ると、牝鶏が二羽になっ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
事のねえ内よ、気の毒だが仕方がねえ。」 風はさらさらと軒を渡って、ああ、柳屋で鶏が鳴く。 「蔵人、蔵人。」 涼しい声で、たしなめるように呼懸けながら、店の左....
ものぐさなきつね」より 著者:小川未明
人に撃たれてしまいますよ。それよりここに、もうしばらく待っておいでなさい。やがて鶏が鳴く時分です。そうしたら、じきにその小舎を見つけることができます。辛棒が肝心....