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「鶏卵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鶏卵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
殊《こと》に子供、手を下《おろ》すには体に精分をつけてからと、まず一日に三ツずつ鶏卵《たまご》を飲まして、気休めに膏薬《こうやく》を貼《は》っておく。 その膏....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
や傾斜体文字《イタリック》でも感じているのではないかと思われるような、一足一足、鶏卵の中を歩むような足取りをしたりなどして、ひたすら無慈悲な単調の中からあがき抜....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。 早朝日の出の色の、どんよりとしていたのが、そのまま冴えもせず、曇りもせず。鶏卵色に濁りを帯びて、果し無き蒼空にただ一つ。別に他に輝ける日輪があって、あたか....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
をのばして、リーロフの服にさわったかと思うと、ぎゃっとさけんで、掌のうちに一箇の鶏卵をぬきとった。 「おお、牛男は、卵を生んだ」 クイクイの神様は、あきれ顔の....
栃の実」より 著者:泉鏡花
、めりんすの帯の合せ目から、ことりと拾って、白い掌で、こなたに渡した。 小さな鶏卵の、軽く角を取って扁めて、薄漆を掛けたような、艶やかな堅い実である。 すか....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
あれさ、お前さん、ご存じだ……」 という。が、お前さんにはいよいよ分らぬ。 「鶏卵と、玉子と、字にかくとおんなじというめくらだけれど、おさらいの看板ぐらいは形....
露肆」より 著者:泉鏡花
焼と銘を打つ。真似はせずとも可い事を、鱗焼は気味が悪い。 引続いては兵隊饅頭、鶏卵入の滋養麺麭。……かるめら焼のお婆さんは、小さな店に鍋一つ、七つ五つ、孫の数....
星女郎」より 著者:泉鏡花
根太の高いのがありました、……そこの障子が、薄い色硝子を嵌めたように、ぼうとこう鶏卵色になった、灯を点けたものらしい。 その障子で、姿を仕切って、高縁から腰を....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
その光りは窓から流れ込む淡い月の光りにまじりながら狂い騒いでいた。 そのうちに鶏卵の殻から出るように、火の玉の一つ一つから驚くべき物が爆発して、空中に充満した....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
星を算えるごとく熟と視たのでありますから。―― またその手で、硝子杯の白雪に、鶏卵の蛋黄を溶かしたのを、甘露を灌ぐように飲まされました。 ために私は蘇返りま....
誓之巻」より 著者:泉鏡花
り、なお、酷く悪いんですとさ。 それでいてあがるものはというと、牛乳を少しと、鶏卵ばかり。熱が酷うござんすから舌が乾くッて、とおし、水で濡しているんですよ。も....
三枚続」より 著者:泉鏡花
それだもの困っちまう、)と高慢なことをいいながら、背伸をして、西洋造の扉の上に、鶏卵色の壁にかかった塗板を真直に懸直し、そのまま閉ってる扉を開けて、小腰を屈めて....
活人形」より 著者:泉鏡花
えにけり。 女房は独り機嫌悪く、由緒なき婦人を引入れて、蒲団は汚れ畳は台無し。鶏卵の氷のと喰べさせて、一言の礼も聞かず。流れ渡った洋犬でさえ骨一つでちんちんお....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
にして、一年中ヤソ降誕の日を第一の大祝日とし、昇天の日を第二の大祝日とす。当日は鶏卵を人に贈るの風習あり。市中の店には鶏卵をかたどりたる菓子、パン等を売り、進物....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
国の三倍、日本の六倍なり。もし北部アマゾン地方に至らば、さらに四倍の高価を命ず。鶏卵一個四十銭、鶏一羽十二円、牛乳一合六十銭、靴一足三十円というにいたりては、な....