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鶏群
「鶏群〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鶏群の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「I can speak」より 著者:太宰治
ら、唄うのだ。なかにひとつ、際立っていい声が在って、そいつがリイドして唄うのだ。
鶏群の一鶴、そんな感じだ。いい声だな、と思う。お礼を言いたいとさえ思った。工場の....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
e)という一僧侶この場に来|懸《かか》り、暫くこの遊びを眺めておったが、忽ちこの
鶏群《けいぐん》中に一鶴《いっかく》を見出した。相貌|怜悧《れいり》、挙止敏捷、....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
たる東京の真只中で窮乏に安んじながら能楽を捨てなかった翁の恩師能静氏の如きは実に
鶏群中の一鶴と称すべきであったろう。 もとより生一本の能楽気質の翁が、こうした....
「曙覧の歌」より 著者:正岡子規
人として実朝以後ただ一人《いちにん》なり。真淵、景樹、諸平、文雄輩に比すれば彼は
鶏群の孤鶴《こかく》なり。歌人として彼を賞賛するに千言万語を費すとも過賛にはあら....
「偽刑事」より 著者:川田功
気に慌てて三階へ駈け昇った。身形が別に派手でも何でもないが、彼女を見付け出すのは
鶏群中の雄鶏を見出す程容易であった。彼女の手には反物らしい紙包の買物が既に抱かれ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
を政治家の余得として一進一退を総て金に換えて怪まない今の政界にあっては沼南は実に
鶏群の一鶴であった。 が、清廉を看板にし売物にする結果が貧乏をミエにする奇妙な....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ないが三十にはとどくまい。端正な姿に細太刀もよく似合って、こんな淀川舟の中では、
鶏群中の一鶴といえる気品もあらそえない。 「はいっ」 菊王なる侍童には、怖らく....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
それに、卯木と元成との、一|対の姿は、この庶民の沼底をすくッたような阿弥村では、
鶏群中の一|鶴みたいに、余りに人目立ってもいた。 「気をつけなよ」 それとなく....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
ます」 と、小姓組の刑部|友矩が、家光の眸を導いた。家光は大勢の若者の中から、
鶏群の一鶴をすぐ見出したらしく、 「又十郎に起たせい。誰ぞ、腕に覚えの者は、又十....