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鶏舎
「鶏舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鶏舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
とかいうものとは事ちがい、畑のぐるりに四季の草花や樹の花を品よく咲かせ、庭の隅の
鶏舎の白色レグホンが、卵を産む度に家中に歓声が挙り、書きたてたらきりの無いほど、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
える。 ◯武井さんという律義で正直な大工さんを中川君の妻君が紹介してくれ、前から
鶏舎や炬燵など作ってもらっていたが、この前の五月二十五日の空襲の翌日(二十七日)....
「足迹」より 著者:徳田秋声
に逐い廻していた。そこへ洋服姿の主が、縁から降りて来たのであった。 二人で鶏を
鶏舎へ始末をしてから、縁側の方へ戻って来ると、中村は愚かしい芳太郎に、いつも言っ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
よって芝苅り。終って、桃の木の下で水蜜桃の立喰。
大きなプリマウス種の雄鶏が、
鶏舎の外で死んで居た。羽毛が其処此処にちらかって居る。昨夜
鶏舎の戸をしめる時|誤....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
の後ろにしたがった。ふたりは、うの花が雪のごとくさきみちている中庭へでた。そこの
鶏舎にいましも追いこまれたにわとりどもは、まだごたごたひしめきあっていた。 「き....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
法を附近の農家に流行《はや》らせてもいい。 それを見届けた上で弥之助は、豚舎と
鶏舎を見廻った。豚は四頭飼っている、鶏は十羽いる、豚の発育は皆上等と云って宜《よ....
「後庭」より 著者:宮本百合子
まった方がいいかとも思われるが、水々しく柔いその葉を見ると、流石そうも仕かねる。
鶏舎に面した木戸の方へ廻ると十五の子の字で、雨風にさらされて木目の立った板の面に....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
? 離れのあったところに便所が出来、そこからつづいて八畳六畳の両椽の座敷があり、
鶏舎との間に昔からのザクロや大名竹を植えた小庭があり、元の表の間との間の中庭には....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 山口県島田より(封書)〕 第二十七信。 今裏の
鶏舎のところでお母さんと徳山の岩本の小母さんとが、ごみを焚していらっしゃる。駅の....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
屋内の方が暖いらしい。……大方眠りつこうとしていると、不意に土間の隅に設けてある
鶏舎のミノルカがコツコツコと騒ぎだした。 「おどれが、鶏をねらいよるんじゃ。」お....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
なってませんね』 さてはと思って私はなおくわしく肉の批評を乞うと、 『この肉は
鶏舎飼いの鳥で、普通品です』 『いや、優等の肉の筈です』 と私が答えると、 『....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ずらしく進んで自分の考えをのべた。父はこないだから読んでいた養鶏の本をひろげて、
鶏舎の図面などを見ていたが、あまり意見をのべず、たいていは母の考えに従った。そし....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
また机に頬杖をついて、じっと何か考えこんでいる。いつもなら学校からかえるとすぐ、
鶏舎か畑に出て、夕飯時まではせっせと手伝いをする習慣であり、それがまた彼のこのご....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
かと自分で捜しだして、それに精魂をぶちこんだ。畑も片っぱしから耕して種をまいた。
鶏舎も三十|羽ぐらいは飼えるようなのを自分で工夫して建てた。こうしたことには、郷....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
昨夜も彌作の許で鶏を盗られたんだね。」 「何でも夜半のことだと聞きましたが、裏の
鶏舎で羽搏の音が烈しく聞えたので、彌作が窃と出て見ると、暗い中に例の※と頸を捻っ....