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鶏鳴
「鶏鳴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鶏鳴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
か、彼の唇《くちびる》から消えてしまった。今度は突然祭壇のあたりに、けたたましい
鶏鳴《けいめい》が聞えたのだった。オルガンティノは不審そうに、彼の周囲を眺めまわ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
くその林に近づいて、やがてその中に呑み込まれてしまった。
(一九一七、六、一三、
鶏鳴を聞きつつ擱筆《かくひつ》)....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
》と鳥屋《とや》といっしょにあった。牝鶏《めんどり》の馬を評する語に、――あれは
鶏鳴《とき》をつくる事も、鶏卵《たまご》を生む事も知らぬとあったそうだ。もっとも....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
。 黄葉一村蔵寺深。 懸偈壁間焚仏意。 見雲天上抱琴心。 人間至楽江湖老。 犬吠
鶏鳴共好音。 と云う詩を遺《おく》った。巧拙《こうせつ》は論外として、病院にい....
「蟇の血」より 著者:田中貢太郎
ざいます、あなたはこのあたりの旅館にいらっしゃるの) (五六日前から、すぐそこの
鶏鳴館と云うのに来ているのです、もしお宿の都合で、他がいけないようならお出でなさ....
「俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
古いギリシアの兵法書を読んでいたら「夜打ちをかける心得」を説いたくだりに、狗吠や
鶏鳴を防止するためにこれらの動物のからだのある部分を焼くべしということが書いてあ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
やく身をベッドの上に安んじ、目を閉じぬ。 朝静かにして、耳わずらわす響もなし。
鶏鳴き、ふなうた遠く聞こゆ。 武男は目を開いて笑み、また目を閉じて思いぬ。 ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
て、原田ひとりは血走った眼をむき、名乗り給え、名乗り給え、とあせって、そのうちに
鶏鳴あかつきを告げ、原田はとうとう、しびれを切らし、 「ながくおひきとめも、無礼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、関守氏附きの直参《じきさん》となりました。 不破の関守氏は、この新たに得た
鶏鳴狗盗《けいめいくとう》を引きつれて早朝に宿を出たが、どこをどううろついて来た....
「死者の書」より 著者:折口信夫
て見えるのは、日下江・永瀬江・難波江などの水面であろう。 寂かな夜である。やがて
鶏鳴近い山の姿は、一様に露に濡れたように、しっとりとして静まって居る。谷にちらち....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
和に帰られるを送ろうと夜ふけて立っていて暁の露に霑れた、というので、暁は、原文に
鶏鳴露とあるが、
鶏鳴(四更|丑刻)は午前二時から四時迄であり、また万葉に五更露爾....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
なり。小山。山北も近づけば道は次第上りとなりて渓流脚下に遠く音あり。一八の屋根に
鶏鳴きて雨を帯びたる風山田に青く、車中には御殿場より乗りし爺が提げたる鈴虫なくな....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
を云うじゃないか。……まるでもう君は萎えうらぶれている。……以前のあのうち羽振く
鶏鳴の勢いは皆無だ。剣刀身に佩き副うる丈夫の面影は全くなくなってしまった。 清原....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
起り、月がかくれて、ほとんど名状すべからざるありさまに変ずるがごとく見て取った。
鶏鳴暁を報ずる時、夜のさまが東雲にうつり行く状は、いつもこれに変らぬのであるけれ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
思う。にわかに作歌数は減少しはじめ、仙洞の雅宴を厭いはじめる。『明月記』にも、「
鶏鳴、月未だ入らざれど退出、老後の数奇、病きほひ起り、はなはだ堪へがたし」とか、....