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鶯色
「鶯色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鶯色の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
通は飽和の度と関係してくる。「松葉色の様なる御納戸」とか、木賊《とくさ》色とか、
鶯色とかは、みな飽和度の減少によって特に「いき」の性質を備えているのである。
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「少女病」より 著者:田山花袋
曲がる角で、ふと栗梅の縮緬の羽織をぞろりと着た恰好の好い庇髪の女の後ろ姿を見た。
鶯色のリボン、繻珍の鼻緒、おろし立ての白足袋、それを見ると、もうその胸はなんとな....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
おおッ」 と彼は叫んだ。よく見ると、いちいち、古い記憶のある調度ばかりだった。
鶯色の緞子の垂幕、「美人戯毬図」とした壁掛けの刺繍、さては誤って彼が縁を欠いた花....
「赤外線男」より 著者:海野十三
その午前十時半にも確かに一人の佐用媛が巌ならぬエレヴェーターの蔭に立っていた。
鶯色のコートに、お定りの狐の襟巻をして、真赤なハンドバッグをクリーム色の手袋の嵌....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
た。あれがこの紳士なのであろうか。当時貞雄さんはまだ五六歳の幼童で膝までしかない
鶯色のセルの着物を着た脆弱そうな少年だった。彼はいつも寒そうに、両手を腋の下から....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
ぎ足で車まわしのところへ来たとき、踏石から玄関の間へあがってゆく白い足袋が見え、
鶯色の単衣羽織の裾がちらりと目を掠めた。その車で帰って来たのは、多計代であった。....