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鶴唳
「鶴唳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鶴唳の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火の鳥」より 著者:太宰治
れは醜いと恥じているのに、人から美しいと言われる女は、そいつは悲惨だ。風の音に、
鶴唳《かくれい》に、おどかされおびやかされ、一生涯、滑稽な罪悪感と闘いつづけて行....
「禁酒の心」より 著者:太宰治
やましがる人も無いのに、そこは精神、吝嗇卑小になっているものだから、それこそ風声
鶴唳《ふうせいかくれい》にも心を驚かし、外の足音にもいちいち肝《きも》を冷やして....
「乱世」より 著者:菊池寛
た。 格之介の逃亡の理由が分かるにつれ、桑名藩士も官軍の人たちも、格之介が風声
鶴唳におどろいて逃走を企て、捨てぬでもよい命を捨てたことを冷笑した。 が、どう....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
二十里ずつの距離の外に屏息し、徐行|逗留してあえて近づこうともせず、いわゆる風声
鶴唳にも胆が身に添わなかったほどでありながら、いったん浪士らが金沢藩に降ったと見....
「口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
あなたこそ、赤穂浪士の錚々たるものかも知れませんな、あっはっはっは、いや、風声|
鶴唳《かくれい》、風声
鶴唳――。」 小林は、手文庫から、元赤穂藩の名鑑を取り出....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、実にどうもすばらしい声で鳴くんです」
怪人物は訝しそうな眼つきで、
「風声|
鶴唳《かくれい》ということはありますが、鶴が歌を唄うなどということはまだかつて聞....
「学校の説」より 著者:福沢諭吉
。他人の常言も我耳に新しく、恐るべきを恐れず、悦《よろこ》ぶべきを悦ばず、風声|
鶴唳《かくれい》を聞きて走るの笑をとることあり。かくの如きはすなわち耳なきに若《....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
今更驚くべきわけもなし。たとい地|裂山|摧くとも驚かぬ覚悟を極め居たり。今更風声
鶴唳に驚くべきわけもなし。然れども余は驚きたり。驚きたりとて心臓の鼓動を感ずるま....