鷺草[語句情報] »
鷺草
「鷺草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鷺草の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
のくらみかかった自分は今まで下ばかり見て歩いていた。じめじめした苔《こけ》の間に
鷺草《さぎぐさ》のような小さな紫の花がさいていたのは知っている。熊笹《くまざさ》....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
《しっ》とりと眺《なが》められる径《わたし》二尺の、縁《ふち》を択《えら》んで、
鷺草《さぎそう》とも菫《すみれ》とも片づかぬ花が、数を乏しく、行く春を偸《ぬす》....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
返しが見えた。縁に出て手摺《てすり》から見下した時、敬太郎は松の根に一面と咲いた
鷺草《さぎそう》を眺めて、あの白いものは何だと須永に聞いた事もあった。 彼は須....
「家」より 著者:島崎藤村
逗留しなかった。植物の好きなこの中学生は、東京への土産にと言って、石斛、うるい、
鷺草、その他深い山の中でなければ見られないような珍しい草だの、香のある花だのの見....
「市川九女八」より 著者:長谷川時雨
附いてゆく静枝にいいつけた。 根岸の家《うち》は茶座敷などもあって、庭一ぱいの
鷺草《さぎそう》が、夏のはじめには水のように這《は》う、青い庭へ、白い小花を飛ば....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
の千代子の家の垣に沿うて、橋和屋という料理屋の傍から大崎の田圃に出た。 蓮華、
鷺草、きんぽうげ、鍬形草、暮春の花はちょうど絵具箱を投げ出したように、曲りくねっ....