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「鸚鵡返し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鸚鵡返しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
込み、肩を高うして、一ツ揺って、 「真砂町の、」 「真砂町※」 と聞くや否や、鸚鵡返しに力が入った。床の間にしっとりと露を被いだ矢車の花は、燈の明を余所に、暖....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
なりました。」 「そうですか。気の毒でしたね。」 「なにしろ、気の毒でしたよ。」鸚鵡返しにこんな挨拶をしながら、薬局生はうずたかい柚を掻きわけて流し場へ出た。そ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
にこの人を殺す意志がなかったという事だ」 「なに、殺す意志がない※」検事は思わず鸚鵡返しに叫んだが、すぐに異議を唱えた。「しかし、薬量の誤測ということは、当然な....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
あ無い」老人は俄に真面目になった。「毒草だよ、毒草だよ」 「毒草※ と香具師は鸚鵡返した。少し顔が蒼白くなった。 「おいおいお若いの、何が恐ろしい。恐ろしいこ....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
しみですね。国元の奥様のことを考えながら、その悩みをお忘れになりたい為めにね。」鸚鵡返しのように夫人はこう言った。新吉は的が外れたと思った。自分の今の心を探って....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
せず、手を掉って、 「大丈夫、その令夫人の骨じゃない。」 「骨じゃない、」 と鸚鵡返しで、 「けれども、婦のだと言うじゃないか。何年|経ったんだか、幾十年過ぎ....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
紋太夫は愉快そうに云う。 三 「隠されたる巨万の富?」十平太は鸚鵡返しに、「場所はどの辺でございますな?」 「遠い遠い海のあなたのメキシコとい....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
。原因は女だ!」 「ははあ女子でございますか」 「俺の娘月姫だ」 「月姫様?」と鸚鵡返したが、郷介の声は顫えていた。 「言語道断でございますな。……たしか治部殿....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
続いて、南京豆のような顔をした紋太郎が、 「出て来い! 出て来て謝罪いたせ!」と鸚鵡返しのように叫び、「それに何んぞや鈍刀とは! 我らの刀を鈍刀とは!」 「何者....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
に!」 「でもお信じくださいまし。一歩手前で踏み止まります」 「一歩手前で?」と鸚鵡返した。 「許さないのでございますよ」 「ああなるほど。……ああなるほど」 ....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
それが鸚鵡石であった。谷間二百歩ばかり隔ちて、こちらから声を掛けると、同じ言葉を鸚鵡返しに答えるのだった。 「ああ、今日初めて自分の体になられた。人間は飾りを取....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
大部分なのだ。 玉子の白味一つ。 今、スワンソン夫人に命令された給仕男は鸚鵡返しにその通り復誦する。これは朝飯の「カクテール」と呼ばれているものであって....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
流行る段だらの染小袖を着ていたらしいが……。」 「段だらの染小袖……。」と、侍は鸚鵡返しに言った。「むむ、やっぱりあやつじゃ。采女じゃな。くどいようじゃが御坊、....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
。」と、女は笑を含んで再び詞をかけた。 「好い天気になりましたなあ。」と、市郎も鸚鵡返しに挨拶して、早々にここを行き過ぎた。女は枯柳の下に立って、暫時は其の後姿....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
衆生という者を見て居るのか」といって非常に理想的の問を起しましたから私も理想的の鸚鵡返しをやったです。「我に我なくしてどうしてこの衆生を見ましょうか」とこういっ....